ヘーニッヒ彗星(C/2002 O4)とC/2002 O6彗星が観望好機!

【2002年8月7日 アストロアーツ】

最近見つかった2つの彗星、ヘーニッヒ彗星(C/2002 O4)とC/2002 O6彗星が観望の好機だ。この週末は新月期なので、ペルセウス座流星群だけでなく、ぜひ2つの新彗星を見てみよう。

(7月27日のヘーニッヒ彗星の画像)

ヘーニッヒ彗星 C/2002 O4(写真右下、および囲み内)。2002年7月27.642日(世界時)に撮影された確認観測時の画像。彗星の上に写っている銀河はペガスス座のNGC7640。クリックで拡大

(8月5日のヘーニッヒ彗星の画像)

2002年8月5.705日(世界時)撮影。クリックで拡大(撮影:アストロアーツ 門田健一)

ヘーニッヒ彗星(C/2002 O4)は、7月22日にドイツのアマチュア天文家ヘーニッヒ氏(Sebastian Hoenig)がペガスス座で12等級で発見した新彗星だ。最初に報告された位置の誤差が大きかったことや移動が速かったこと、天候がよくなかったことなどから確認観測は困難であったが、27日にアストロアーツ門田が観測に成功。以後ヨーロッパなどでも追跡が行なわれた。

ヘーニッヒ彗星は8月中は赤緯が+65度よりも大きくなり、周極星としてほぼ一晩中北の空に見える。明るさは9等級前後と予想されている。

MPEC 2002-P18で発表された暫定の放物線軌道要素は以下のとおり(角度に関する要素はすべて2000.0年分点)。

近日点通過(T)2002年10月2.005日
近日点距離(q)0.77571 AU
離心率(e)1.0
近日点引数(ω)105.989°
昇交点黄経(Ω)321.032°
軌道傾斜角(i)73.114°

上記の軌道要素から計算された位置推算表は以下のとおり(日本標準時0時での位置。赤経、赤緯は2000.0年分点)。

月日赤経赤緯等級
8/8 22h40m31.2s+63°26'09"9.7
8/1022h22m06.7s+67°45'26"9.6
8/1221h55m14.8s+71°52'22"9.5
8/1421h14m25.3s+75°34' 2"9.4
8/1620h11m28.6s+78°28'29"9.3
8/1818h42m24.4s+80°02'13"9.2
8/2017h 5m17.8s+79°50'03"9.2
8/2215h48m24.4s+78°09'56"9.1
8/2414h57m06.4s+75°42'46"9.1
8/2614h23m34.4s+72°57'27"9.1
8/2814h00m48.3s+70°08'27"9.0
8/3013h44m34.8s+67°22'29"9.0
9/1 13h32m29.5s+64°42'32"9.0

日本時0時における位置を示した星図(赤道座標)。クリックで拡大
赤道座標の星図

東京での0時における位置を示した星図(地平座標)。クリックで拡大
地平座標の星図


一方、栃木県の鈴木雅之氏が、SOHOが撮影し公開されている画像から見つけた新彗星 C/2002 O6は、明け方の東の空低くに見えている。8月中旬までは日出1時間前の地平高度が20度以上と比較的見やすいので、このチャンスを逃さないようにしよう。明るさは6等級と予想されており、薄明中の空では双眼鏡では見つけづらいかもしれない。

軌道要素や位置推算表、星図などは5日付のニュース:「鈴木さん、新彗星を発見(NAOニュース)」を参照していただきたい。

<参照>

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