星の一生を締めくくる色とりどりの花火

【2002年7月4日 STScI Press Releases

赤、白、青、そして緑にピンク、アメリカ独立記念日の打ち上げ花火を思わせる、色鮮やかな天上のガスを写した画像が公開された。撮影したのはNASAのハッブル宇宙望遠鏡である。

(超新星残骸 カシオペヤ座Aの画像)

超新星残骸 カシオペヤ座A。青は酸素が豊富なところ、赤は硫黄の多いところなど、元素によって色分けされている(提供:NASA and The Hubble Heritage Team (STScI / AURA)、謝辞:R. Fesen (Dartmouth) and J. Morse (Univ. of Colorado) )

このガスは、1572年に我々の銀河系内で起こった超新星爆発の後に残された残骸である。1万光年かなたのカシオペヤ座にあり「カシオペヤ座A」という名前がついている。

ハッブルが撮影した鮮明な画像のおかげで、残骸が小さくて冷たいガスの塊となって散らばっているようすが初めて明らかになった。この塊には超新星爆発を起こした星を構成していた元素が含まれており、新しい星や惑星を作るもとになる。太陽系や地球もはるか昔に起こった超新星爆発の際に放出された元素からできているのだ。

カシオペヤ座Aなどの超新星残骸の元になった星は、太陽の10倍から25倍もの質量を持つ大きな星で、寿命が数千万年と太陽の1000倍ほど短い。燃料となる物質を使い果たしてしまった星は複雑な過程を経て大爆発を起こす。そして、時速7200万kmという高速で、星の質量の大部分を放出してしまうのである。