たった5分で公転する連星系が見つかった

【2002年3月25日 ESO Press Release 06/02

南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(The Very Large Telescope)望遠鏡と大西洋カナリア諸島にあるイタリアのTelescopio Nazionale Galileo望遠鏡の観測により、たった5分でお互いの周りを公転している連星系が見つかった。

(連星系 RX J0806.3+1527をUバンドとRバンドで撮影した画像)

VLTで撮影した連星系 RX J0806.3+1527。Uバンド(左)とRバンド(右)。Uバンド(波長の短いがわ)で明るく写っているのは、この連星系が高温であることを示している(写真提供:ESO

RX J0806.3+1527という番号がつけられた「かに座」にあるこの連星系は、1994年にドイツのX線観測衛星ローサットによってX線源として発見されたものである。後になって、そのX線強度が周期的に変化することがわかり、最近ではNASAのX線観測衛星チャンドラが詳しい観測をおこなっていた。そして今回、VLTとイタリアの望遠鏡の観測により、このX線源が白色矮星の連星系であることがわかったのだ。

2つの白色矮星の間はたった8万kmしか離れておらず、お互いの周りを5分ほどで公転している。これは今まで知られている中ではもっとも高速で公転している連星系である。また、軽いほうの星は自転周期も5分ほどで、公転周期と自転周期が同じである「同期回転」していることもわかった。

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