富士写真フイルムが一眼デジカメ S2 Pro 他 3 機種を発表

【2002 年 2 月 1 日 アストロアーツ】

(FinePix S2 Pro の写真) (FinePix F601 の写真) (FinePix S602 の写真)

左から FinePix S2 Pro、FinePix F601、FinePix S602(いずれもクリックで拡大)

富士写真フイルムから、撮像素子に新開発のスーパーCCDハニカムIIIを搭載したデジカメが1月末に発表された。スタイリッシュタイプのFinePix F601とハイスペックタイプのFinePix S602、さらに一眼レフタイプのFinePix S2 Proの3機種だ。

なかでも、天文趣味人的にもっとも注目されるのが、天体写真撮影用途に人気の高いFinePix S1 Proの後継機になるS2 Proだろう。

S2 Proは、23.0ミリ×15.5ミリのスーパーCCDハニカムIIIを採用。有効画素数は617万画素だが、富士写真フイルム独自の技術で、記録画素数は最大で1212万画素(4256×2848)となる。1000万を越える記録画素数を持つデジカメは、世界初(カメラバッグタイプを除く)である。カメラマウントはS1 Proと同様にニコンFマウントを採用して、AFニッコールレンズではAFなどがフル機能で利用可能だ。

気になるのが、天文特性。S1 Proでは、長時間露光が30秒までだったものが、S2 Proではバルブも搭載されている。また、CCDの生データともいえるCCD RAW 12bitでの記録モードが追加され、ユーザーサイドでのダークデータの取得も可能となり、よりいっそう天体撮影向きの仕様となったといえるだろう。さらに、天体撮像用の冷却CCDで感度アップとノイズ低減に効果のあるビニングと同等な仕組みの画素加算信号処理なども組み込まれている点にも注目したい。

ほかにも、視野率100パーセントの液晶モニタ、記録メディアにスマートメディアとマイクロドライブが使用できるダブルスロット、パソコンインターフェースにはUSBに加えIEEE1394を備え、パソコン側からのカメラコントロールも可能といい、なかなか魅力的な一眼デジカメといえるだろう。

S2 Proは外観的から察するに、ニコンF80ベースと思われるボディが採用されているようだ。相変わらずスペック表には、一眼レフ必須のファインダー倍率が記されていない。

おもしろいのは、「オデコ」のロゴマークがS1 ProではFUJIFILMだったのだが、S2 ProではFinePixに変わったという点だ。同時に発表されたF601とS602も、ボディの目立つ部分にFinePixのロゴが入った。今後は、富士写真フイルムのデジカメというよりもFinePixというブランドのデジカメとして、広くアピールしていくということのなのだろうか? スーパーCCDハニカムIIIを採用した新ラインナップデジカメにかける富士写真フイルムの意気込みが、感じられるといえるだろう。

ただし、S2 ProとS602は、現時点では開発発表ということで、価格は未定。F601は、有効画素数310万、記録画素数603万で、2002年2月発売予定。メーカー希望小売価格は89,800円(税別)となっている。

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