ジェミニ南望遠鏡、本格的な運用を開始
名実とも「双子」望遠鏡に

【2002 年 1 月 21 日 Gemini Press Release

南米チリの Cerro Pachón 山に建設されたジェミニ南望遠鏡の本格的な運用が始まり、最初の画像が公開された。

(星形成領域 NGC 6357 の写真)

ジェミニ南望遠鏡で撮影した、星形成領域 NGC 6357(写真提供:Gemini Observatory / University of Florida / Nidia Morrell / UNLP-CONICET)

ジェミニ(双子、ふたご座)という名前が示すとおり、この望遠鏡は 2 台同じものが北半球と南半球に建設され、全天域をカバーすることができる。それぞれ 8m クラスの大型望遠鏡で、波面補償光学装置など最新の装置が取り付けられている。北半球側はハワイのマウナケア山にあり、2000 年からすでに本格的な運用が始まっていたが、今回の南半球側の完成によって名実ともに「双子の」望遠鏡となった。これらの望遠鏡はアメリカ、イギリスなど 7ヶ国で共同運用される。

ジェミニ北望遠鏡は、M 87 の中心にあると考えられている巨大ブラックホールの周囲の様子をあきらかにしたり、惑星系が形成されるかもしれない星の周りのガスやチリを観測したりする活躍をしている。いわば「双子の弟」であるジェミニ南望遠鏡も、兄に負けないような成果をあげてくれることだろう。

なお、リリース元のサイトからたどれるリンク先(Gemini South Dedication Page)では、オリオン大星雲のトラペジウム領域などジェミニ南望遠鏡が撮影した写真のほか、望遠鏡の外観などの写真が見られる。