アメリカ惑星協会の太陽帆船試験機、実験失敗
【2001年7月24日 アメリカ惑星協会 (2001.07.21)】
アメリカ惑星協会は7月19日、ロシアのバレンツ海から改装型の潜水艦発射弾道ミサイル (SLBM) によりソーラー・セール (太陽帆船) の試験機を打ち上げたが、ロケットから試験機を分離することに失敗し、試験機はロケットもろともカムチャツカに墜落した。
ソーラー・セールは、太陽光を巨大な「帆」で反射することにより、光子を反射する際のわずかな圧力を推力として利用するもので、推進剤を必要としない。得られる推力はわずかではあるが、長期間継続した加速が行なえるので、かなりの高速が実現できる。木星以遠に達した場合は太陽光が弱くなりすぎるが、その場合も地球からレーザー光を照射することにより加速できる。将来的には、恒星間飛行用に応用できる可能性さえある夢のあるテクノロジーである。
今回の実験は、2001年末の打ち上げを目標に準備が進められている史上初の本格的ソーラー・セール「コスモス-1」のための予備実験で、試験機は弾道飛行中に2枚の帆の展開テストを行なうことになっていた。
なお、今回のテストは当初2001年4月の予定であったが、打ち上げ前の地上試験において試験機の一部が損傷してしまったため、延期されていた。
<リンク>
- アメリカ惑星協会 (英文)
- アメリカ惑星協会 - ソーラー・セール・プロジェクト (英文)
- 日本惑星協会
<関連ニュース>
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- 2000.05.16 - NASA、巨大な宇宙帆船で初の恒星間航行を目指す