7月5日深夜から6日にかけての部分月食を新宿で撮影
【2001年7月6日 アストロアーツ】
昨日7月5日の夜から本日6日にかけて、部分月食がありました。
今回の月食は、梅雨のさなかということもあり、天候が心配されていました。前日から当日の昼間までは晴れていた多かったのですが、月食が始まるころには、北海道付近に進んだ低気圧から伸びた寒冷前線により、全国的に悪天のところが多かったようです。そのため、部分月食の全過程を見ることができたのは、関東地方を中心とした一部の地域に限られたもようです。
東京・新宿のアストロアーツでも、屋上から今回の部分月食をながめ、随時更新の部分月食レポートとして、お伝えしました。新宿は光害と雲により、天頂の1等星ベガがやっと見える程度の空でしたが、雲に阻まれた時間もわずかな時間で、部分月食のほぼ全過程を見ることができました。
今回の月食は、月の高度が東京で約30度と低めであったことと、とくに低層の大気が水蒸気に富んだため、地球の影に入っていない部分がやや黄色味を帯び、やわらかな感じの月面が印象的でした。
望遠鏡で見たときの部分月食のイメージを再現。2001年7月6日0時25分に段階露光にて撮影された6枚の画像をもとに、ステライメージ3にて画像処理。
薄雲越しのコントラストの低い見え方ながら、地球の影の部分、つまり皆既月食時には赤く見える部分も、ほんのりとオレンジ色に見えていた。
また、千葉の東金近辺まで出かけたスタッフの話では、雲に覆われた時間が若干長かったようです。海岸部では、霧に覆われたような状態になった時間もあったそうです。それでも最大食のころには雲が引いてゆき、半分ほど欠けた月を見ることができたとのことでした。また、食が終了することは、それまでと比較して地球の影が引いてゆくスピードが早まり、みるみる影が引いてゆくようすが楽しめたとも話していました。
月食の進行を撮影した9枚の画像をコンポジットして、地球の影の形を再現。
ふだんは見ることのできない地球の影を、月がスクリーンとなることによって見せてくれる。それが月食だということがよくわかる。
次回、日本で見られる月食は、2004年5月5日ですが、西日本で月没前に皆既となるものの、東日本では部分月食しか見ることはできません。その次は、2005年1月17日の部分月食です。全国的に見られる皆既月食ということなら、2007年8月28日まで待たなければなりません。
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