3月31日夜に北海道に低緯度オーロラが出現

【2001年4月3日 名寄市立木原天文台

3月31日夜に、北海道にて低緯度オーロラが観測された。

3月31日20時台に北海道の上川郡風連町で撮影された写真には、北の空に赤く輝く低緯度オーロラが捉えられている。

国内からオーロラが観測されたのは、2000年4月7日、11月7日、11月29日に続き今太陽極大期で4度目。今回の低緯度オーロラはそれらの中でもっとも明るいものであったようだ。ただし、今極大期の観測は、いずれも写真や測定機器によるものであり、肉眼での観測報告はない。

風連町西風連にて撮影された低緯度オーロラ

北海道上川郡風連町にて撮影された低緯度オーロラ
提供:北海道名寄市立木原天文台 佐野康男氏
2001年3月31日 20時23分20秒から1分露出

*中央の赤い広がりがオーロラ、左上端の明かりは半月です。今回のオーロラは月があったのと、低空に雲があったので、全体は捕らえられませんでしたが、存在が得られたことはラッキーでした。

現在は約11年周期の太陽活動の極大期にあたっており、太陽活動が活発になっている。3月30日には、ここ10年で最大の黒点群が出現中というニュースをお伝えしたばかり。

3月31日から4月1日にかけては、世界各地で強い磁気嵐が観測されており、北欧やアラスカでは今極大期で最大規模の活発なオーロラが見られたもようだ。今回北海道で観測された低緯度オーロラは、そのもっとも南の端を捉えたものと思われる。

太陽活動は活発な状況が続いているので、これからも国内からオーロラが捉えられる機会があることが充分に想定される。太陽面に大きな黒点が発生したり、フレアが発生したというニュースが報じられたら、北の空に注目したい。オーロラは肉眼で見えていなくても、上のように写真には写ることがある。また、規模の大きい場合には、オーロラが肉眼で見られるかもしれない。その場合には、ぼんやり北の空が明るいといった印象で、それがオーロラだとは気付かないことも多いようだ。国内で観測される低緯度オーロラは、カラーフィルムで撮影すると独特の赤い色で写る。もし北の空がぼんやり明るく見えた場合には、写真撮影により確認してみることをおすすめしたい。

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