小惑星イオによる恒星の掩蔽の改良予報

【2001年3月21日 佐藤 勲 氏 ONM No.571 (2001.03.21)】

USNOでの観測によると、3月25日(日)に起こると予報されていた小惑星(85) Io (13.2等)による TYC076300982 (9.83等) の掩蔽は、21h38mごろ、日本の南岸を通る可能性が高くなっています。

名目上の掩蔽帯は、屋久島、種子島、伊豆大島付近を通っており、ここを中心に鹿児島県、宮崎県、高知県、徳島県、和歌山県、静岡県、千葉県などが可能性圏内にあります。

小惑星の推定直径は155kmで、掩蔽が起これば、最長17秒間にわたって3.4等の減光が起こります。恒星の位置は、赤経07h20m04.5s, 赤緯+08°42'00"にあります。

さて、観測方法ですが、眼視観測の場合は、電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。

ビデオ観測の場合は、できればI.I.や高感度の白黒ビデオを使用し、時報を同時録音します。周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

詳しい掩蔽帯図は、小惑星食センターのホームページ

http://www.wtl.co.jp/astro/aoc/aoc_j.html

に、PDFとPS形式で掲載されています。

この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、観測地の詳しい経緯度や高度、望遠鏡、観測方法、観測状況などを添えて、是非御報告下さい。観測報告の詳細を他の観測者にも伝わるよう、egroupに是非御参加下さい。

http://www.egroups.co.jp/group/occultation