五島プラネタリウム最終投影「灯火は燃え続けている」

【2001年3月12日 アストロアーツ】

昨日3月11日(日)をもって東京・渋谷の「天文博物館五島プラネタリウム」が閉館となり、その最終投影が行なわれた。最終投影をこの目で見ようと朝早くから多くの「五プラ」ファンが詰めかけ、10時40分にはすべての入場整理券が配布終了となった。

人々の列 44年間ありがとうございました

入館を待つ人たちの列。入場整理券を手にできなかった人も多かった。

職員の方々も声を枯らしながらの懸命の応対をされていた。

アストロアーツでは、この五島プラネタリウムの最終日のようすを インターネットライブ中継(終了いたしました)した。中継はカメラ3台体制で行ない、朝焼け夕焼、スライドを映すカラーカメラ、イメージ・インテンシファイアーによりドーム内の星空を写すモノクロ高感度カメラ、コンソール内の解説員を捉える赤外線カメラをそれぞれ切り替えながらライブ映像を送出した。アクセス多数のため繋がりにくい状況だったが、ドーム内の雰囲気は伝えることができたと思う。

村山館長とストリーミングマシン ミキサー

村山館長とストリーミングマシン。投影の幕間には村山館長のインタビューが流れた。

中継用のミキサーを操作する、「星なビデオ」のからけん。

18時からの最終投影終了時には、盛大な拍手の中、投影機の台座に多数の花束が投げ込まれた。鳴り止まない拍手の中、多くの方が感無量の表情であった。最後には解説員や職員の方々が投影機の前に並び「五島プラネタリウムが蒔いた種を、これからはみなさんが育てる番です」との村山館長の心に残る挨拶があった。

村松解説員 村山館長の最後の挨拶

投影終了後に解説台に詰め掛ける村松解説員のファンの方々。

最終投影終了後に最後の挨拶をする村山館長と、解説員・職員の方々。

五島プラネタリウムのツァイスIV型投影機や展示物は、この後渋谷区に寄贈されることとなっている。44年間累計1600万人もの来館者に“渋谷の星”を届け続けてきた天文博物館五島プラネタリウムはこの日をもって閉館となるが、多くの人の胸に星空や宇宙への夢や希望の光を灯した。そのをともしびを燃やし、受け継ぎ、広めてゆくことが、これからの私たちの役目となった。

ポスター ツアイスプラネ

エレベーターホールに張ったライブ中継とヒストリービデオのポスター。会場に張られたポスターは、熱心なファンの方々の手に渡った。

44年にわたり星を灯し続けたツアィスIV型1号機に、二度と火が入ることはない。ごくろうさま。そしてありがとう。

天文博物館五島プラネタリウムが、より多くの人の心に残るよう、「五島プラネタリウム・ヒストリービデオ」を編集中。最終投影日のダイジェストも収録する。

五島プラネタリウム

五島プラネタリウム最終投影
インターネットライブ中継
(終了いたしました)

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