アトランティス号の打ち上げが2月6日以降に延期

【2001年1月16日 NASA Shuttle Status Report (2001.01.15)

1月19日に予定されていたスペースシャトル・アトランティス号 (STS-98/国際宇宙ステーション組み立てフライト5A) の打ち上げが、2月6日以降に延期となった。延期の理由は、固体ロケットブースターの分離のための爆発ボルトへの信号ケーブルのさらなる調査のため。発射台上のアトランティス号は、作業のためいったんシャトル組み立て棟 (VAB) に戻される。発射台へ再び戻されるのは1月25日ごろになる。

爆発ボルトへの懸念は、日本時間12月1日昼のエンデバー号 (STS-97/国際宇宙ステーション組み立てフライト4A) の打ち上げの際に発覚した。この打ち上げの際、外部燃料タンク左側の固体ロケットブースターを分離するための爆発ボルトへの起爆信号が届かず、爆発しなかったのだ。幸い、予備の起爆装置が働いたため、固体ロケットブースターは安全に分離されたものの、最悪の場合は5人の乗組員の人命ごとエンデバー号が失われるという大惨事につながりかねない問題だった。

アトランティス号はすでにこの問題への対策作業を受けているが、その後NASAが他のシャトルについても検査を進めた結果、アトランティス号にもさらなる検査が必要という判断に至った。

新世紀初のスペースシャトル・ミッションとなるとアトランティス号は、3回の船外活動 (EVA) を含む作業により、アメリカの実験棟「デスティニー」を国際宇宙ステーション (ISS) に取り付ける。飛行期間は10日と20時間を予定。ISSでは、2000年11月初めより第1次滞在クルー3名の任務が続いている。

その後の3月1日にはディスカバリー号 (STS-102/国際宇宙ステーション組み立てフライト5A.1) の打ち上げが予定されていたが、アトランティス号の延期の影響によりこちらも延期される可能性がある。ディスカバリー号は、「レオナルド(MPLM:多目的補給モジュール)」をISSに取り付けるほか、第2次滞在クルーをISSに届け、第1次滞在クルーを地球に帰還させることになっている。

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