こぐま座流星群としぶんぎ座流星群

【2000年12月21日 国立天文台天文ニュース (403)

12月22日に「こぐま座流星群 (こぐま座β流星群)」出現の可能性が指摘されています。また、1月4日未明の「しぶんぎ座流星群 (りゅう座ι流星群)」も好条件で、出現が期待されます。

「こぐま座流星群」はタットル彗星(8P/Tuttle)を母彗星とし、12月22日〜23日頃に、北極星近くを放射点として出現する流星群です。「理科年表」には定常群として記載されていますが、一般の年は流星出現がごく僅かで、何年かに一度、思い出したようにたくさんの流れ星が出るという特徴があります。たとえば1945年には1時間に100個以上の出現があり、その後1981年、1986年、1994年に比較的多くの流星が見られました。

NASAエームズ・リサーチセンターのイエニスケンス(Jenniskens,P.)は、12月22日7時29分(世界時)を中心とした3〜4時間に、「こぐま座流星群」が比較的活発に出現するのではないかと述べて、観測者に注意を呼びかけています。これは1405年にタットル彗星が放出した流星物質に地球が交差するとの計算から推定されたものです。ただし、活発といっても、この場合は、比較的暗い流星が1時間にせいぜい数個といった程度の出現と思われます。さらに、上記の時刻に観測できるのはアメリカ、カナダ方面に限られます。日本では中心時刻が午後4時半頃に当たり、条件はよくありません。それでも、22日に日が暮れたら夜空を見上げてごらんなさい。いくつか「こぐま座流星群」の流れ星が見えるかもしれません。月は夜中過ぎに昇ります。

一方、「しぶんぎ座流星群」は、実質的には1月4日朝の短時間に限って出現する流星群です。見かけ上、北斗七星の柄の少し下あたりが放射点になります。ピークの出現時間帯が暗い時刻にうまく一致する年はかなりたくさんの流星が見え、1時間当たり100個を越すようなこともあります。2001年はそのピークが1月4日の0時〜2時(日本時)頃と推定され、条件の良い年に当たります。天候に恵まれれば、たくさんの流星が見えるかもしれません。上弦を過ぎた月は0時頃に沈みますから、あまり妨害にはならないでしょう。流れ星を見るという点では、「しぶんぎ座流星群」の方が「こぐま座流星群」よりもはるかに期待できます。

寒い季節ですから、どちらの流星群にしても、防寒には十分注意してご覧になってください。

<参照>

  • 10th Circular Pro-Amat Working Group IAU Com.22 (Dec.18,2000)
  • IAUC 7544 (Dec.18,2000)

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