ガリレオ探査機による木星系画像続々

【2000年10月31日 Galileo Image Gallery (2000.10.26)

NASAの木星探査機「ガリレオ」のウェブサイトに、新たな探査画像がいくつか追加された。

ガリレオ探査機がとらえた木星の衛星イオの「Chaac Patera」

画像はそのうちの一枚で、木星の大型衛星「イオ」の「Chaac Patera」と呼ばれる領域をとらえたカラー画像。12枚のモノクロ画像(ほとんどは2000年2月22日の撮影)画像をつなげて広域化し、さらに1999年夏に撮影された低解像度カラー画像を合成してカラー化したもの。横幅850キロメートルほどの領域をとらえている。

この画像には、「パテラ」と呼ばれるくぼんだ地形が10か所以上見られる。パテラは隕石クレーターとは全く特徴が異なり、異形で波打った縁を持つ。火山活動が活発な地域に多く見られ、「カルデラ」と似た特徴を持っている。カルデラは、火山噴火に伴なって地表近くのマグマ室が一部空洞になった結果、地表が陥没して形成される巨大なくぼみで、全体の形状はおおざっぱな円状となる。

イオのパテラの縁は、太陽系のあちこちに見られるどのカルデラとも異なり、直線状の部分や鋭くとがった部分が多く見られる。このことから、地殻のヒビがその形成に影響している可能性が考えられる。パテラの直線状の縁の部分の多くからは、溶岩の流出も見られる。

しかし、パテラの成因が地下のマグマ室の影響によるものか、またはマグマ室は関係なく地殻のヒビと地殻の変動によるものであり、マグマは後になって流出したものであるのかはよくわかっていない。

Image credits: NASA / JPL / University of Arizona