小惑星による恒星食の予報(10月)

【2000年10月2日 佐藤 勲氏 ONM No.544】

10月の小惑星による恒星の掩蔽予報を掲げます。TYC番号の現象は、Tycho-2星表の 出版によって新たに追加された現象です。

90点以上の現象は好条件、100点以上の現象は、高い割合で観測に成功しています。 点数の高い現象ほど、改良予報のための位置観測や、現象の観測を優先的に行なって下さるようお願いします。 1mas=0".001です。 ◎,○のついた現象は、新たな改良予報が出なくてもマークして下さるようお願いいたします。

3日(Euphrosyne;エウフロシネ)
北海道を中心に北日本方面で見られる可能性が大ですが、低空で、わずか0.8等級の減光なので、眼視での観測は困難です。

10日(Malabar;マラバル)
東シナ海を中心に通り、九州・沖縄方面が可能性圏内です。

11日(Pamina;パミーナ)
北海道北部〜サハリン南部が可能性圏内です。

11日(Prokne;プロクネ)
東北北部を中心に、北関東〜北海道までが可能性圏内ですが、低空で満月です。

21日(Evita;エビータ)
シベリア方面を通り、日本で見られる可能性はなくなりました。

22日(Thyra;テューラ)
岩手県、秋田県を中心に東北地方で見られる可能性が高くなりましたが、わずか0.4等の減光なので、眼視での観測は困難です。

22日(Nausikaa;ナウシカー)
北海道南部を中心に青森県から札幌までの範囲で見られる可能性が高くなりましたが、わずか0.2等の減光なので、眼視での観測は困難です。

23日(Moira;モイラ)
満州からサハリンを通り、日本で見られる可能性はなくなりました。

24日(Helio;ヘリオ)
東シナ海を中心に、東にずれた場合に日本で見られる可能性があります。

24日(Undina;ウンディーナ)
サハリンを中心に、南にずれた場合に北海道で見られる可能性があります。

27日(Liberatrix;リベラトリックス)
東北から九州までが可能性圏内です。

  月 日  JST    小惑星      直径継続減光    恒星名    光度  赤経(J2000)赤緯  点
         h  m 番号 名前       km 秒  等                等    h  m  s   ゚  '  数
○10  3 20 42   31 Euphrosyne256 21  0.8 TYC237502694 10.9 04 12 34 +32 21.0 95
  10 10 27 01  754 Malabar    88  7  3.0 TYC476100542 11.4 05 25 23 -04 04.9 77
  10 11 26 00  539 Pamina     54  5  3.3 ACT  0913691 11.0 06 35 56 +26 07.7 76
○10 11 26 41  194 Prokne    168  7  3.8 TYC022100704 10.0 08 54 17 +05 23.9 87
×10 21 23 36 1569 Evita      34  3  7.5 ACT  0697099  9.3 07 27 53 +20 08.8 78
○10 22 20 08  115 Thyra      80 24  0.4 ACT  1437000 11.1 04 11 28 +42 10.4 94
○10 22 27 58  192 Nausikaa  103 18  0.2 ACT  0631365 10.1 01 37 37 +21 49.7 98
×10 23 24 46  638 Moira      66  5  5.3 ACT  0701657 10.1 07 50 37 +20 00.6 83
  10 24 20 15  895 Helio     142 13  1.6 GSC285700052 11.3 02 48 53 +43 11.4 85
○10 24 27 45   92 Undina    126 38  1.3 TYC133701272 11.3 06 37 50 +19 08.6 94
  10 27 28 22  125 Liberatrix 44  7  2.3 ACT  0469411 11.4 05 04 38 +16 35.6 76

改良予報の掩蔽帯図を
http://www.wtl.co.jp/astro/aoc/aoc_j.html
に掲載しています。

最近、外国からも小惑星の掩蔽の改良予報が入ってきますが、ここには、10月以降の現象の改良予報も掲載されており、世界で最も早く改良予報が見られるサイトです。 その理由は、独自に開発した軌道改良ソフトにあります。

さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページ
http://www.astroarts.co.jp/
でも情報を流します。

今年の小惑星食の予報、またはTycho-2星表による追加予報を希望される方は、御連絡下さい。 また、観測報告は、
http://www.egroups.co.jp/group/occultation/
でeGroupに参加登録の上、
occultation@egroups.co.jp
に投稿して下さい。