NASA、2001年火星探査機の正式名称を発表

【2000年9月29日 NASA JPL Press Release (2000.9.28)

火星探査機「2001マーズ・オデッセイ」

アメリカ航空宇宙局(NASA)は9月28日、2001年打ち上げ予定の火星探査機の正式名称を発表した。この探査機はこれまで「マーズ・サーベイヤー2001オービター(Mars Surveyor 2001 Orbiter)」という仮称で呼ばれていたもので、今回発表された正式名称は「2001マーズ・オデッセイ(2001 Mars Odyssey=2001年火星の旅)」。

NASAの火星計画の責任者であるScott Hubbard氏はこう語っている。

「2001年という年は『2001: A Space Odyssey(2001年宇宙の旅)』という小説および映画のあのスリルを覚えている多くの人々にとって、特別な意義を持ちます。私たちは、2001年という年が約束するエキサイティングな宇宙探査の未来を待ち望んできたのです。NASAの次回の探査機は2001年の打ち上げであり、あの赤い惑星への探査活動の新たな波を象徴するものです。『2001マーズ・オデッセイ(2001 Mars Odyssey=2001年火星の旅)』という名称は、あの小説および映画を称えるだけでなく、私たちの行なう長い火星探査活動の新たな波の始まりを伝える使者としてもふさわしいものだと思います。」

そしてHubbard氏は、小説版『2001: A Space Odyssey(2001年宇宙の旅)』の作者であるアーサー・C・クラーク氏もこの名称を熱烈に支持してくれたということもつけ加えた。

「2001マーズ・オデッセイ」は、火星の組成の分析、水または地表近くの氷の発見、火星の放射線環境の調査を目的としたオービター(周回探査機)だ。熱放射画像化システム(Thermal Emission Imaging System; THEMIS)、ガンマ線分光器(Gamma Ray Spectrometer; GRS)、および火星放射環境試験装置(the Mars Radiation Environment Experiment; MARIE)の3つの科学観測装置を搭載している。

コロラド州デンバーのロッキード・マーティン・アストロノーティクス社により製作が進んでいる探査機は、今週同社の熱真空試験槽での試験が行なわれる予定。この試験は、探査機が飛行中にさらされると考えられる最低温から最高温までの環境に探査機が耐えられるかどうかを確認するもので、探査機製作の過程における大きなステップのひとつである。

「2001マーズ・オデッセイ」は、2001年4月7日にデルタ-2ロケットによりフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる予定で、2001年10月の火星到着を目指している。


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