小惑星ファイナによる恒星の掩蔽の改良予報

【2000年8月23日 佐藤 勲氏 ONM No.540】

ONM No.533でお知らせしたように、USNOでの観測によると、8月31日(木)に起こると予報されていた小惑星(751)Faina(12.2等)によるTYC528300035(11.07等)の掩蔽は、24h39m40sごろ、東北地方を中心とした地域を通ることが確実となっています。 名目上の掩蔽帯は、秋田県、岩手県、宮城県を通っており、ここを中心に北海道南部から関東地方までが可能性圏内にあります。

小惑星の推定直径は110kmで、掩蔽が起これば、最長27秒間にわたって1.5等の減光が起こります。 恒星の位置は、赤経02h13m54.1s, 赤緯-11゚38'55"にあります。 対象星が暗いので、透明度のよい場所を探して早めに準備をし、赤道儀の目盛環やエンコーダーを使って目的星を導入して下さい。

さて、観測方法ですが、眼視観測の場合は、電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。 現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。 眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。

ビデオ観測の場合は、できればI.I.や高感度の白黒ビデオを使用し、時報を同時録音します。 周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

詳しい掩蔽帯図は、小惑星食センターのホームページ

http://www.wtl.co.jp/astro/aoc/aoc_j.html

に掲載されています。

この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、観測地の詳しい経緯度や高度、望遠鏡、観測方法、観測状況などを添えて、是非御報告下さい。 観測報告の詳細を他の観測者にも伝わるよう、egroupに是非御参加下さい。

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