イリジウム衛星群、生存をかけ最後のチャンス

【2000年8月2日 FLORIDA TODAY Space Online / AP (2000/8/1)

アメリカ・ワシントンに本社を置くイリジウム社は、50億ドルを費やし、1998年秋から66基の衛星群による全地球規模の衛星携帯電話サービスを開始したが、高価な端末と通信料から利用者が伸び悩み、1999年8月には44億ドルの負債を抱え、破産法による保護を申請。そして今年初めにはサービスを停止した。

その後、残されたイリジウム衛星群を買い取るという話が何度かあったが、7月28日にはニューヨークの投資金融業社、Castle Harlan社が、5千億ドルをかけた買収計画を撤回した。これを受け、イリジウム社の最大出資元であるモトローラ社は7月31日、破産審査裁判所に対し、8月9日まではイリジウム衛星群の飛行を維持すると報告した。

これは、イリジウム衛星群生存のための最後のチャンスだ。8月9日までに有効な救済プランが現れなければ、衛星群はその後は大気圏への突入により廃棄させられることになる。