ロシア版シャトル「ブラン」輸送用の航空機に再起の可能性?

【2000年7月5日 FLORIDA TODAY Space Online / AP (2000/7/5)

ロシア版スペースシャトル「ブラン」の空輸のために製造された世界最大の輸送機「アントノフAn225ムリヤ」が再び飛行するかもしれない。

最大積載容量275トンという輸送能力を持つ「ムリヤ」は1988年に2機製造された。しかし、輸送対象の「ブラン」は、ただ1回の無人飛行を行なった後、当時のソビエト(現ロシア)の資金難のため、計画が中止となった。当然「ムリヤ」も無用となり、ソビエトの崩壊後はウクライナに放置されていた。

しかし、ここにきて、「ムリヤ」の再建計画が持ちあがっている。ロシアのアントノフ航空設計局のスポークスマンであるAndriy Savenkoによると、この強力な輸送機の世界的需要を見込み、放置されていた2機のうち1機の「ムリヤ」を、エンジンを交換するなどして、再び飛行できる状態にするという。必要な資金は1,600万ドル〜2,000万ドルと見積もられるが、その多くはアントノフ航空設計局から供与される。

再建された「ムリヤ」のテスト飛行と、その後のライセンス飛行は来年に予定されている。