小惑星による恒星食の予報(7月)

【2000年6月29日 佐藤 勲 氏 ONM No.530】

7月の小惑星による恒星の掩蔽予報を掲げます。 TYC番号の現象は、Tycho-2星表の出版によって新たに追加された現象です。

90点以上の現象は好条件、100点以上の現象は、高い割合で観測に成功しています。 点数の高い現象ほど、改良予報のための位置観測や、現象の観測を優先的に行なって下さるようお願いします。 1mas=0".001です。 ◎,○のついた現象は、新たな改良予報が出なくてもマークして下さるようお願いいたします。

1日(Palisana;パリザーナ)
日曜日の未明の現象で、名目上の掩蔽帯が愛知県、岐阜県、富山県付近を通っており、ここを中心に、北海道から九州までが可能性圏内にあります。 日本を通ることが確実ですので、都合のつく方は、観測をお願い致します。

14日(thia;ティア)
名目上の掩蔽帯が太平洋を通っており、北へ1σ程度ずれると日本を通りますが、低空の現象です。

17日(Boliviana;ボリビアーナ)
USNOの観測によって、宗谷海峡付近を通ることがわかり、北海道地方が可能性圏内にありますので、北海道の方はご注意下さい。 ただし、日没後の薄明中で11等と暗いので、固定式の望遠鏡で早めに導入する必要があります。

22日(Klotho;クロト)
USNOでの観測により、沿海州〜朝鮮半島を通ることがわかり、日本で見られる可能性はなくなりました。

29日(Mathesis;マテシス)
北海道から九州までの各地が±1σ以内にあり、日本を通る可能性の高い現象です。 ただし、東日本では、日の出前の薄明が明るく、難しい条件となります。

  月 日  JST    小惑星      直径継続減光    恒星名   光度  赤経(J2000)赤緯  点
        h  m 番号 名前       km 秒  等                 等   h  m  s   ゚  '  数
○7  1 27 07  914 Palisana   77  5  2.4 ACT  1092573  9.9 22 29 23 +25 49.1 79
  7 14 25 10  405 Thia      125  6  4.3 TYC176501373 10.3 02 21 36 +23 37.9 78
○7 17 20 44  712 Boliviana 128 10  1.4 TYC513900688 11.2 19 25 59 -03 47.4 86
×7 22 20 50   97 Klotho     83 11  4.0 ACT  2246113  9.2 16 35 57 -07 11.4 96
○7 29 28 08  454 Mathesis   82  3  5.6 ACT  0640572  9.3 03 25 25 +18 53.8 76

さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページでも情報を流します。 今年の小惑星食の予報、またはTycho-2星表による追加予報を希望される方は、 御連絡下さい。

参照 2000年の掩蔽の初期予報