軽量元素の起源が解明された

【2000年6月9日 space.com (2000/6/8)

アメリカ・オハイオ州のトリード大学に所属するSteve Federman氏らが、科学誌『Nature』で発表したところによると、リチウム(Li)やホウ素(B)のような軽量元素のうち多くは、光速に近い速度で運動する陽子などの宇宙線が、炭素(C)のような質量の大きい元素に衝突した際の核分裂により、比較的新しく形成されたらしいという。

Federman氏らは、ハッブル宇宙望遠鏡とテキサス大学マクドナルド天文台を用いて、リチウム(Li)とホウ素(B)を対象とした多くの観測を行なった。その結果、かなりの量のリチウムが、宇宙線衝突による核分裂で、今なお形成されつつあることがわかった。

ただし、この研究はまだ途中であり、Federman氏らは、ハッブル宇宙望遠鏡を用いたさらなる観測を計画している。