XMM-ニュートン、天の川の向こうの銀河団を新発見 (XMM)

【2000年6月6日 ESA Science News (2000/6/5)

新発見された銀河団(画像右)

新発見された銀河団(画像右)

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のX線宇宙望遠鏡XMM-ニュートンが、我々の天の川銀河の一領域を観測した際、全く予想されていなかった明るいX線源がとらえられた。スペクトル分析の結果と他の特徴を総合して、これは天の川の向こう側、地球からは10億光年の彼方にある未発見の銀河団であるらしいことがわかった。

以前、X線観測衛星ROSATが同じ領域を観測した際には、同様の天体は捉えられなかったが、ROSATが観測可能な低エネルギー領域のX線では、それが天の川を通過する際に厚いガスやチリの層によって、ほぼ完全に吸収されてしまうからだと思われる。だが、XMMが観測可能な高エネルギー領域のX線であれば、厚いガスやチリの層を貫通できるため、今回の発見につながった。


画像提供:  ESA