恒星同士の衝突と融合の証拠が発見された

【2000年6月2日 space.com (2000/6/2)

Rex Saffer氏(ビラノーバ大学)を中心とする研究チームは5月31日、ニューヨークのアメリカ自然史博物館において開催された「天体衝突と融合」と題されたカンファレンスにおいて、恒星同士の衝突・融合現象の有力な証拠を発見したと発表した。この現象は何十年も前から存在が予言されていたが、有力な証拠が発見されたのは初めて。

Saffer氏らは、太陽系近傍の球状星団であるNGC6397を対象に研究を行なってきた。球状星団とは、数万〜数十万個の恒星が数百光年の領域に集まったもの。Saffer氏らの調査の結果、NGC6397では、星団内の恒星の年齢はほぼ同じで、質量も我々の太陽の80%未満と共通していることがわかった。しかし、星団内の他の恒星よりずっと大きな質量の恒星も含まれていることがわかった。最大のものは、星団内で一般的な質量の恒星の3倍もの質量を持っていた。

そしてSaffer氏らは最終的に、これらの大きな恒星は、複数の恒星が衝突・融合した結果生まれたと結論した。

発表されたこの研究成果は今後、他の研究者たちにより厳正に批評されることになるが、カンファレンスにおいては、大きな批判は無かった。

なおこの研究成果は、"Astrophysical Journal"誌上でも発表される。