明け方のリニア彗星(C/1999 S4)増光中!

【2000年5月19日】

2000年7月には、肉眼彗星になると期待がかかるリニア彗星(C/1999 S4)は、5月5日に明け方の低空で、約13等で観測された (明け方に見え始めたリニア彗星(C/1999 S4))。 その後の報告が待たれていたが、天候に恵まれず、観測は途絶えていた。

5月14日の早朝、ダイニックアストロパーク天究館(滋賀県多賀町)の杉江 淳(すぎえ あつし)氏は、 明け方のリニア彗星の観測に成功した(以下の画像で、中央に写っている拡散状天体)。 光度は11.3等で、5月5日より約1.7等も明るく観測された。中央部分が集光した活発なコマ(頭部)が見られる。
光度予報によると、観測が途絶えていた間に0.5等ほど増光する計算だが、コマの淡い部分が捉えられ、明るくなった姿が撮影された。 彗星は明け方で徐々に高度を上げつつあり、日々観測条件はよくなっている。このまま順調に増光すると、7月下旬には4等級まで 明るくなるだろう。

C/1999S4(LINEAR)
Atsushi Sugie
2000/05/14 03:44:12-03:50:30 (JST) 60s x 5 Co,Add Image
Dynic Astronomical Observatory 60cm f/5.0(f/4.1)
SBIG ST-8 CCD Camera