技術試験衛星「ひこぼし」にトラブル、運用終了も? (NASDA)

【2000年5月12日 宇宙開発事業団 広報室 (2000/5/11)

宇宙開発事業団(NASDA)が1997年11月28日に打ち上げた技術試験衛星VII型(ETS-VII)「おりひめ・ひこぼし」は、当初計画していたロボット実験及びランデブー・ドッキング実験の目標を全て達成し、1999年12月に実験運用を終了した。

その後、衛星の設計寿命を越えて、長期的な劣化傾向等を把握するために運用が継続されてきたが、5月11日午前6時頃から「ひこぼし」衛星が正常に機能しなくなり、「ひこぼし」衛星のデータが入手できない状況となってる。結合状態にある「おりひめ」衛星からのデータによると、「おりひめ・ひこぼし」はゆるやかに回転しているものと思われる。

現在、原因究明を行うとともに、仏国国立宇宙研究センター(CNES)にネットワーク支援の要請を行う等、正常復旧につとめているが、衛星の姿勢が変動し、太陽光が太陽電池パドルに十分当たっていない可能性がある。このような状態が続き、長期間正常復旧ができない場合は、バッテリの枯渇が予想されるため、衛星の運用を終了することもある。