ハッブル宇宙望遠鏡、最遠の天体を検出か?

【2000年4月17日 BBC News (2000/4/14)

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が北極方向の「ハッブル・ディープ・フィールド」と呼ばれる領域を撮影した画像に、赤方偏移12を持つ可能性がある天体がとらえられていることがわかった。現在ハワイ・マウナケア山頂の世界最大のケック10m望遠鏡を用いてこの天体の精密観測が行われている。

赤方偏移とは、宇宙膨張により地球と天体が遠ざかっているために天体からの光の波長が伸びて赤に寄っている度合いを示す値であり、遠方の天体ほど速く地球から遠ざかっているため、赤方偏移の値が大きい。これまでの記録は、史上最大規模の天空探査計画「スローン・デジタル・スカイ・サーベイ」において最近発見された赤方偏移5.8を持つクェーサーで、120億光年程度の距離にあると考えられるものだ。

今回HSTにより検出された天体は、最遠記録をさらに塗り替えるかもしれない。

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2000/ 4/14 最遠の天体が発見された (Yahoo!)