近傍銀河NGC 4965に出現した超新星2000P

【2000年3月11日 VSOLJニュース(036)】

IAUC 7378が報じたように、フランスの天文家Robin Chassagneさんが、うみへび座の尾の先近くの銀河NGC 4965に超新星2000Pを発見しました。 発見時(3月8.03日(世界時、以下同じ))に14.1等(フィルターなしCCD等級)と明るく、今 後の観測が重要になっています。

超新星の位置は、赤経13時07分10.53秒、赤緯-28度14分02.5秒(2000年分点)で、母銀河であるNGC 4965の中心核から東に16秒、南に21秒ほどのところに当たります(補足参照)。 母銀河はやや傾いている開いた渦巻銀河(SABd)で、超新星の位置は内側の腕の上です。 銀河のまわりにはいくつか手前の星がありますが、超新星はそれらより内側にあり、現在は銀河の近くの星々よりも明るく輝いているので同定は容易でしょう。 発見およびPic du Midi天文台による確認画像(3月9.12日、R = 14.5)が、フランスの観測者グループAUDEによって準備されていますので参考にされると良いでしょう (http://www.geoman.net/observation/SN/Meth00P.htm)。

超新星2000Pの位置

母銀河は数個の銀河とともに小さな集団を作っており、その平均後退速度はおよそ2000km/sほどです。 おとめ座銀河団の2倍程度の距離にあると推定されるため、典型的なIa型の超新星であれば、極大等級は13.8等ほどと予想されます。 超新星の出現位置から考えて吸収を受けている可能性も高いですが、発見等級から考えてもかなり明るい超新星であろうと思われます。 スペクトル観測とともに、今後の光度変化モニターが重要となるでしょう。

(参考)

cf. [vsnet-alert 4363] Possible SN in Ngc 4965
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Mail/alert4000/msg00363.html

cf. [vsnet-alert 4365] Re: Possible SN in Ngc 4965
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Mail/alert4000/msg00365.html

cf. [vsnet-alert 4366] Re: Possible SN in Ngc 4965
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Mail/alert4000/msg00366.html

cf. [vsnet-alert 4368] SN 2000P position
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Mail/alert4000/msg00368.html

(補足)

IAUC 7378にある位置は、再測定の結果誤りと判明しています(vsnet-alert 4368)。