マーズ・グローバル・サーベイヤーがとらえた「巨人の足跡」

【2000年3月3日 NASA MGS MOC Release No. MOC2-209 (2000/3/2)

1965年にNASAの火星探査機マリナー(Mariner)7号によって撮影され、通称「巨人の足跡」と呼ばれる地形を、現在火星軌道を周回中のNASAの火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤー(MGS)が再びとらえた。

マリナー7号による「巨人の足跡」

マリナー7号による「巨人の足跡」

マリナー7号による拡大撮影

マリナー7号による拡大撮影
右上の矩形が今回MOCにより拡大撮影された部分

MOCによる拡大撮影(全体)

MOCによる拡大撮影(全体)

MOCによる広域撮影

MOCによる広域撮影
中央やや右の矩形が今回MOCにより拡大撮影された部分。今回MOCはほぼ真上から撮影しており、マリナー7号とは撮影角度が違う。

MOCによる拡大撮影(部分)

MOCによる拡大撮影(部分)

マリナー7号による画像は1画素あたり180mというものだったが、今回MGSの火星軌道カメラ(MOC)によってとらえられた高解像度画像は1画素あたり3mだ。

「巨人の足跡」は大小2つのクレーターから構成されており、大きいほうのクレーターはロチェスター大学の微生物学者であり、火星における生命探索方法の開発に貢献を果たしたWolf Vishniac氏にちなんで"Vishniac"と名づけられている。

MGS MOCの高解像度画像では、火星南半球のVishniacにおける冬明けのようすがみてとれる。明るい部分はまだ霜に覆われた部分であり、黒っぽい部分は霜が昇華してしまったか、霜が汚れている部分だ。黒っぽい部分からは風でほこりが吹き飛ばされ、周囲を汚しているようだ。そしてその汚れた部分がまた霜が昇華するきっかけを作っているようである。このようすは、1999年8月から12月にかけての地球の南極における冬明けのようすととてもよく似ている。

なお、これらすべての画像において、太陽光は右下から照らしている。なお、より高解像度の画像をご覧になりたい方は、リンク先を参照していただきたい。

画像提供: NASA/JPL/Malin Space Science Systems