小惑星による恒星食の予報(3月)

【2000年2月27日 佐藤 勲 氏 ONM No.506】

3月の小惑星による恒星の掩蔽予報を掲げます。

  月 日  JST    小惑星       直径継続減光    恒星名   光度  赤経(J2000)赤緯  点
         h  m 番号 名前        km 秒  等               等    h  m  s   ゚  '  数
  3  1 19 30 3543 Ningbo(寧波)17 27  7.0 ACT 0679359 10.6 06 33 34 +22 15.4 81
  3  5 26 10  911 Agamemnon  167 15  4.0 TYC24760621 11.3 08 02 36 +35 10.0 85
○3  7 20 29  513 Centesima   50  4  3.7 ACT 0107848 10.5 10 24 24 +03 29.9 77
  3 14 23 09  640 Brambilla   81 17  3.9 ACT 0279651 10.9 07 17 12 +06 59.4 83
  3 24 28 04  121 Hermione   209 64  2.3 ACT 2504043 11.3 15 45 43 -15 24.2 96
◎3 25 18 44  201 Penelope    68  8  6.3 HIP  047706  7.1 09 43 36 +13 26.5 96
  3 28 19 17   19 Egeria     208  6  0.8 GSC18251459 11.8 03 56 43 +29 52.1 72
  3 28 26 06  181 Eucharis   106  6  1.4 GSC14371458 11.2 11 34 06 +18 39.2 81
○3 30 24 09  971 Alsatia     64  8  3.7 ACT 0956182 10.3 11 24 58 +27 11.1 79
○3 31 25 43  181 Eucharis   106  6  1.9 ACT 0721284 10.5 11 32 20 +18 58.5 85

90点以上の現象は好条件、100点以上の現象は、高い割合で観測に成功しています。 点数の高い現象ほど、改良予報のための位置観測や、現象の観測を優先的に行なって下さるようお願いします。 1mas=0".001です。 ◎,○のついた現象は、新たな改良予報が出なくてもマークして下さるようお願いいたします。

1日(Ningbo;寧波)
留の付近で起こる現象で、直径が17kmしかないのに減光が27秒と長いものです。 予報誤差が大きく、正確な予報はできません。

5日(Agamemnon;アガメムノン)
トロヤ群小惑星ですが、最近出版されたTYCHO-2星表の位置を使って計算すると、日本の南へずれる可能性が高いようです。 この小惑星については、USNOでの観測がありますので、小惑星の軌道改良を行なった上、最終予報を出す予定です。

7日(Centesima;ケンテシマ)
USNOの観測から、鹿児島県を中心とする九州から奄美大島にかけての地域を通ることが予報されています。 この方面の方、ご注意下さい。

14日(Brambilla;ブランビーラ)
初期予報では、日本の南海上を通っています。

24日(Hermione;ヘルミオーネ)
初期予報では台湾の南を通っていますが、北へ1.5σ以上ずれると、日本を通ります。

25日(Penelope;ペネローペ)
土曜の夕方の薄明中に7等星が隠される現象で、日本のどこかを通ることが確実です。 空が明るいのが難点ですが、エンコーダー付きの望遠鏡でトライしましょう。 これについては、観測キャンペーンを張る予定です。月刊天文1月号に記事があります。

28日(Egeria;エゲリア)
直径が大きいのですが、隠される恒星が11.8等と暗く、0,8等しか減光しません。

28日,31日(Eucharis;エウカリス)
どちらも日本を通る可能性が高いものですが、31日の方が条件はいいです。

30日(Alsatia;アルザシア)
初期予報では、日本の太平洋岸を通っています。

さらなる改良予報が出た場合は、アストロアーツのホームページまたは電話でも情報を流します。

今年の小惑星食の予報を希望される方は、御連絡下さい。

参照 2000年の掩蔽の初期予報