VLTがとらえたM104ソンブレロ銀河の微細構造

【2000年2月25日 ESO Press Photos 07a-c/00 (2000/2/23)

VLT ANTUによるM104(全体)

ヨーロッパ南天天文台(ESO)のVLT(Very Large Telescope)によるM104ソンブレロ銀河(Sombrero Galaxy)の画像が公開された。右はその全体。これはVLTの1号機「ANTU」のFORS1カメラにより1月30日に撮像されたもの。

FORSは「FOcal Reducer/low dispersion Spectrograph」の略で、「短焦点化レデューサー付き低散乱分光撮像機」という意味。異なる3つの波長域で撮影された画像を合成し、カラー化してある。FORS1の視野角は、水平・垂直とも6.8分角(1分角=1/60度)で、ちょうどソンブレロ星雲全体がが収まる。

M104は「おとめ座」と「からす座」の間に位置し、5000万光年ほどの距離にある銀河で、ソンブレロ銀河の名で良く知られている。渦巻き銀河をほぼ真横からみた姿で、暗黒帯が一直線に横切る様子は10cm程度の望遠鏡でもなんとか確認できる。この姿がソンブレロというメキシコの帽子に似ているため、この名がある。

下は、部分の高解像度画像。右上の写真の左の領域にあたる。この画像の解像度は、FORS1により得られたオリジナルの解像度と同じだ。

VLT ANTUによるM104(部分の高解像度画像)

ダスト帯の非常に微細な構造をとらえていることがわかる。ESOのウェブサイトでは、これと同じ解像度での全体画像も公開されているが、そちらでは背景に散在する淡い銀河なども確認できる。