大量の観測データを携えエンデバー帰還

【2000年2月23日】

毛利衛さんが搭乗したスペースシャトル「エンデバー」は米東部時間22日18時22分(日本時間23日08時22分)、米フロリダ州・ケネディ宇宙センター33番滑走路に無事着陸した。 当初の着陸予定は1時間半ほど前であったが、着陸地点周辺の横風が強いためカリフォルニア・エドワーズ空軍基地への着陸も検討されたが、天候回復を待つため地球周回を一周増やしての帰還となった。

エンデバーは打ち上げ後に、レーダー観測に使うマストの角度を保つ噴射装置に故障が起きたが、シャトル本体の姿勢維持装置で代替し、ほぼ当初の予定通りの地球観測に成功した。毛利さんは11日間の宇宙滞在で地球を181周。 立体地図の作製に使うCD2万枚分以上に相当するレーダー観測データを取得し、自身2度目の宇宙飛行の任務を完璧に遂行した。2度の宇宙飛行に成功したのは、日本人では向井千秋さんに続き2人目。 この秋には若田光一さんの2度目の飛行も予定されている。

今回のエンデバーが持ち帰った観測データは断層探査など、さまざまな地球環境の研究に使える高精度なものだが、米国は軍事作戦の立案やミサイル照準の高精度化にも使える最も精度が高いデータの公開は制限する方針という。