毛利シャトル連載第2回毛利さんの乗るエンデバーを見つけてみよう

【2000年1月28日 2月17日 更新

前回お知らせしたように、毛利さんの乗るスペースシャトル・エンデバーは2月1日に打ち上げられる予定です(1月28日現在)。打ち上げ後のシャトルが夜空を飛行しているようすは、肉眼で充分見ることができます。
 そこで今回は、その毛利さんが乗るエンデバーを実際に眺めてみよう、という話題です。

《注意》
 最新の解析により、エンデバー号が日本の上空にさしかかるころ、日本は夜で機体に太陽光が当たらず、肉眼による観察は難しいことが判明したそうです。(宇宙開発事業団のページより。29日UPDATE)

 今後の打ち上げ予定変更などで見えるようになることもありますので、最新情報に注目しましょう。

《2月13日UPDATE》
※ シャトル打ち上げ日時の変更により、スペースシャトルの観察が可能になりました。

スペースシャトル・エンデバー
STS-99打ち上げ予定
(1月27日現在)

打ち上げ予定日時

2000年2月1日(火) 2:47 [日本時間]

ランチウインドウ

2時間02分

打ち上げ場所

ケネディ宇宙センター ランチバッド39A

軌道高度

233km

軌道傾斜角

53度

地球1周所要時間

約90分

ミッション内容

SRTMレーダー地形測量ミッション
EarthKAM教育ミッション

ライブサイト

NASA-TV中継サイト一覧

どんなふうに見えるの?

土星のそばを飛ぶSTS-78コロンビア

土星のそばを飛ぶSTS-78コロンビア
倉敷科学センター スペースシャトル観察ガイド より

シャトルを見つけることは、それほど難しくはありません。望遠鏡などを用意する必要もなく、肉眼でも充分に見つけることができます。

それでは、具体的にはどうすればよいのでしょうか?

まずは、その場所ではシャトルは何時何分ごろ、空のどのあたりに見えるのか、という情報を仕入れておきます。
 そして、その10分くらい前から外に出て、シャトルの飛んでくる方角を眺めます。方角は大体の見当で構いません。もちろん、方位磁石などで、事前に方角の確認をしておくのもよいですが、そこまでしなくとも、西空に残る夕焼けなどから、だいたいの方角を推定するので充分です。

そして、シャトルが飛んでくる方向を向いてしばらく待っていると、そのうち夜空をぐんぐんすすんでゆく明るい光点が見えてくることでしょう。それこそが毛利さんの乗るスペースシャトル・エンデバーの光です。シャトルが太陽光を反射して明るく輝いているようすが見えているのです。

明るさはシャトルの反射のぐあいで変わってきますが、だいたい1等星くらいだと思っていただければよいです。反射のぐあいで、ときには金星よりも明るくなることもあります。どれがシャトルだかわかった後は、双眼鏡で追跡するのもよいかもしれません。

このような、シャトルの見つけ方については、以下のリンク先により詳しくたのしく書いてありますので、ぜひご覧ください。

見る際に手助けとなるのは?

それでは、いつどのあたりをシャトルが飛ぶのか、という情報はどうやって仕入れればよいのでしょうか?

入仕入れ先にはいくつかあります。まずは、倉敷科学センターシャトルの予報(全国版)があります。ここでは、都道府県庁を含む全国59地点にて、シャトルがいつどの方角に飛ぶのが見えるか、誰にでもわかる文章で書いてあります。

また、宇宙開発事業団のページにても、全国各地での見え方が表形式で見られるようになりました。シャトルの軌道は毎日少しずつ変わっていて、予報も少しずつ変わっているのですが、見え方の予報は宇宙開発事業団のページがもっとも更新が早いようです。(2月17日UPDATE)

シャトルは空のどのあたりに見えるの?

 また、より具体的に空のどのあたりを飛ぶか、シャトルの飛行経路を図で示してあるのが以下のところです。JAVAアプレットを使用して図を作成していますので、JAVAが動作する環境が必要となります。 スペースシャトルの見え方
黄色や赤の丸印が30秒ごとのシャトルの位置。予定どおりに打ち上げが行われれば、東京では2月9日の18時前にエンデバーが天頂近くを通ってゆくことがわかる。
倉敷科学センター シャトルは空のどこに見えるの? より

地図上や宇宙から見たシャトルの位置表示

 さらに、地図上や3次元グラフィックにて、シャトルの飛んでいるようすがわかるのが、以下のところです。

倉敷科学センターのページでは、今シャトルがどのあたりを飛んでいるかが世界地図上に表示されます。

NASAのサイトのJ-Track 2.5はシャトルだけでなく、バップル宇宙望遠鏡やミール、国際協力宇宙ステーションなど数多くの人工天体の現在の位置を知ることができます。普段、夜空に人工天体を見つけたとき、それがなになのかを調べるのにも使えそうです。
 また、この画面の左上の方にあるJ-Track 3Dのボタンを押すと、地球の回りをめぐる人工衛星のようすが3次元表示されます。時刻は世界標準時なので、日本時間に換算するには9時間をプラスしてみてください。

J-track 3D
J-track 3D にて表示させた国際協力宇宙ステーションの位置とその軌道。小さな点はそのときの人工衛星の分布。手前に横に連なるのは静止軌道衛星群
J-track 3D より

また、NASA-TVでも、とくにシャトルからの中継等がない時には、シャトルの現在位置やシャトルの向いている方向を示すコンピューターグラフィックスが表示されるようです。2月17日夕刻のシャトルの日本上空通過前の時間帯には、シャトルが太平洋上で姿勢を変え、60mのマストに振動がなるべく伝わらないように軌道を上昇させるようす(フライキャスト・マヌーバ)をNASA-TVにて見ることができました。(2月17日UPDATE)

シャトルの機影を大望遠鏡で捉えた!

シャトルを肉眼や双眼鏡で見ても、ひとつの点にしか見えません。今回のエンデバーは、高度233km高さを飛行するため、双眼鏡クラスの倍率では、面積体として見ることはむずかしいのです。
 しかし、大望遠鏡にて拡大率を上げてシャトルを追尾し、シャトルの機影を捉えることに成功した人たちがいるのです。

富山市天文台は、前回のシャトルが上がった昨年12月24日に、天文台が誇る口径1mの望遠鏡を使用して、シャトルの機影を撮影することに成功しました。そのようすは、天文台のWebページにて動画で公開されています。(QuickTimeが必要)

私たちの目がもっともっと高性能になれば、このようにシャトルが見えるのかもしれない、と思いながら、シャトルを見るのもよいかもしれないですね。今回もシャトルの撮影があるのでしょうか?

シャトルを大望遠鏡で撮影
富山市天文台 - スペースシャトルの撮影に成功

シャトルが見えたようすを報告しよう!

シャトルが見えたなら、その喜びをぜひ分かちあいたくなってくるものです。また、曇りがちのときは、ほかのとこなら見えたかどうか、気になってきます。そういうときは、以下のところにある、シャトル観望の掲示板を覗いてみましょう。
 同じシャトルを見た仲間が、ほかの場所にもいるかもしれません。これを話題に、友達の環が広げられるといいなと思います。
 もちろん、あなたもシャトルを見ることができたらのなら、ぜひぜひそのようすを書きこんでみてください。思わぬところから反響が返ってくるかもしれません。

今回は以上です。次回は、「EarthKAMでシャトルに乗った気分に!」という話題について、お話したいと思います。

関連リンク
My Home Gallery - スペース・シャトルSTS-99特集ページ
NASA-TV中継サイト一覧
宇宙開発事業団 - STS-99 毛利宇宙飛行士、再び宇宙へ
横浜こども科学館 - 宇宙・天文ニュース - スペースシャトルの打ち上げ
倉敷科学センター - 毛利さんが搭乗するシャトルをみてみよう
AstroArts
天文ニュース
毛利氏搭乗エンデバー打ち上げは2000年1月25日に
打ち上げは2000年2月1日に変更されている(1月28日現在)
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