かに星雲中のパルサーを取り巻くリング

【1999年9月28日 NASA TodayChandra X-ray Observatory Center

Crab Nebula

地球から約6千光年離れたおうし座「かに星雲」の中心部にX線で輝く半径約1光年のリング構造がみつかった。NASAのチャンドラX線宇宙望遠鏡がとらえた。これほど詳細な構造がX線で捉えたれたのは初めて。

可視光、赤外線、電波との比較など

(左図)チャンドラX線望遠鏡が捉えたかに星雲の中のパルサーを取り巻く降着円盤と双極流。

「かに星雲」は今から1054年に観測された超新星爆発による残骸で、約1000年近くたった現在も強烈な電波やX線を放出している。中心には直径約20kmの中性子星(パルサー)があり、毎秒約30回転で高速自転している。この中心星を取り巻く高エネルギー粒子の構造がこれだけはっきり捉えられたのは今回が初めて。かに星雲は可視光、赤外線、電波など、あらゆる波長域で輝いていることが観測されており、今後この画像は中心星がどのようにして外部の星雲にエネルギーを供給しているのかという研究に用いられるという。

<ニュースソース>
NASAチャンドラX線望遠鏡ニュース
NASA Today Sept. 28, 1999

<参考ニュース>
月面着陸30周年の日、X線天文台が宇宙へ
チャンドラの初仕事、「カシオペヤ座A」の観測
チャンドラX線望遠鏡による画像集