明日の小惑星シメイサによる恒星の掩蔽の観測キャンペーン

【1999年3月3日 佐藤 勲 氏 ONM No.421】

USNOの12月16日から2月22日までの観測によると、明日起こると予報されていた小惑星(748)Simeisaによるυ Leo(4.30等)の掩蔽は、21h23mごろ北日本方面で見られる可能性が高いことがわかりました。名目上の掩蔽帯は、東北地方北部を通っており、北海道から近畿までの各地が可能性圏内にあります。

この小惑星は、ヒルダ群に属するもので、トロヤ群に次いで遠い小惑星のグループなので、大きさの割に不規則な形をしていることが予想されます。小惑星の直径は107kmと推定され、現象が起これば、最長8秒間にわたって10.1等級の減光が起こります。恒星の位置は、赤経11h36m56.9s, 赤緯-00゚49'26"で、しし座にあります。恒星が4等と明るいのですが、月が16°離れたところにあるため、肉眼での観測困難で、双眼鏡か望遠鏡が必要でしょう。

眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。ビデオ観測の場合は、なるべくI.I.を使用し、時報を同時録音します。周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

掩蔽帯の地図は、小惑星シメイサによる恒星の掩蔽の改良予報(訂正版)に掲載されています。

この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。