メシエ天体ガイドM67
(かに座の散開星団)

M67M67 Map

  • M67(NGC 2682) かに座/散開星団(f)
  • 赤経 08h50.4m 赤緯 +11°49′
  • 等級 6.1等 視直径 27′ 距離 2,700光年

解説

かに座にはひじょうに有名な散開星団プレセペ(M44)がありますが、この散開星団M67も見ごたえがあります。発見したのはドイツのケーラーで、1779年より前のことです。メシエは1780年に「かに座の南の爪のところにある星の群れと、それを取り巻く星雲」と記しました。星数は明るいものだけで約80個とされ、10等から16等の間に約500個、さらに暗い星も多数あるという大集団です。数億年すると星がばらばらになることが多い散開星団の中では際だって老齢で、誕生から30〜40億年が経過していると考えられています。

見つけ方

かに座α星の西約2°の位置ですが、α星が暗くて見つけにくい場合には、赤緯がほぼ同じしし座のレグルスから導入すると良いでしょう。もっとも、かに座α星が見つけにくいようなところでは、M67の美しい姿を楽しむことはできません。レグルス(1.3等)からは1h17.9m西、9′南です。かに座α星(3.9等)からは8.1m西、2′南です。明るく満月ほどの大きさなので、ファインダーでも星雲状の姿をとらえられます。目の良い人ならば、空が良いところでなんとか存在がわかるでしょう。

双眼鏡

7×50の双眼鏡では、星雲状の光芒の上に数個の明るい星が輝いているのが美しく観察できます。M44には太刀打ちできないものの、それなりに見事な散開星団です。

10cm

40倍くらいの低倍率で、きれいに星に分解できます。明るい星が作る半円形をした曲線が幾重にも重なり合っているように見え、まるで宝石を散りばめた冠を見ているかのような錯覚に陥ります。ひじょうに美しい眺めです。

20cm

低倍率で観察すると、冠の印象がより強くなり、しかも星団周辺を含めた無数の微光星が見えるようになります。息を呑むような美しい光景が視野一杯に広がります。