メシエ天体ガイドM44
(かに座の散開星団:プレセペ星団)

M44M44 Map

  • M44(NGC 2632) かに座/散開星団(d)
  • 赤経 08h40.1m 赤緯 +19°59′
  • 等級 3.7等 視直径 90′ 距離 590光年

解説

ふたご座β星(ポルックス)と、しし座α星(レグルス)のほぼ中間あたりに、ぼんやりと見える光のかたまりが、かに座の大散開星団M44(プレセペ星団)です。紀元前から存在は知られていましたが、1609年にガリレオ・ガリレイが自作望遠鏡で初めて星の集団であることを発見しました。3.3等から14等までの星が200個以上あることがわかっています。

見つけ方

肉眼でもすぐ位置がわかります。かに座の中心、δ星、γ星、η星、θ星の4星で作る四辺形の中に位置していますが、いずれも暗い星なので、プレセペが先に目につくことも珍しくありません。δ星(3.9等)からは4.6m西、1°40′北です。ファインダーでもかなりの数の星が見え、美しい姿がわかります。

双眼鏡

7×50の双眼鏡で、ほぼすべての星が見えます。M44には7.5等より明るい星が13個あって、そのうち8個はオレンジ色です。これはM44が比較的老齢であるためとされています。M45(プレアデス)が若い青白い高温星を主体としているのと、ずいぶん違った印象を受けます。二重星や多重星が多いことでも有名で、全体の少なくとも5分の1は二重星である、とする報告もあります。双眼鏡でもいくつか見えるので、観察してみてください。

10cm

できるだけ低倍率で観察したいところですが、満月の倍以上の広がりを持つ大きな星団なので、全体をとらえるのは難しいでしょう。プレセペ星団は、暗い星まで正確な等級が調べられているので、望遠鏡の性能を調べたり、変光星の光度観測の練習に適した星団です。

20cm

10cmと同様です。