メシエ天体ガイドM4
(さそり座の球状星団)

M4M4 Map

  • M4(NGC 6121) さそり座/球状星団(IX)
  • 赤経 16h23.6m 赤緯 -26°32′
  • 等級 6.7等 視直径 14′ 距離 7,200光年

解説

さそり座α星(アンタレス)のすぐ西に位置するM4は、見応えのあるすばらしい球状星団として有名です。暗い空なら目の良い人には肉眼でも位置がわかります。双眼鏡でも星雲状の姿を楽しむことができ、いて座のM22とともに夏の南天を代表する球状星団です。1987年には周期3ミリ秒(0.003秒)で電波を発するミリ秒パルサーが発見されました。

見つけ方

アンタレス(0.9〜1.8等の変光星)の西1°にありますので、すぐに見つかります。満月の4分の1ほどの大きさがあり、望遠鏡のファインダーでもすぐに丸い星雲状であることがわかります。

双眼鏡

7X50の双眼鏡で注意深く観察すると、周囲が多少凸凹した姿であることや、わずかに赤味を帯びていることがわかります。

10cm

60倍程度でも中心から周囲に向かって不規則に枝が伸びて、その上にいくつか星が並んでいるようすを観察でき、楽しめます。球状星団としてはかなりまばらなほうで、一般の球状星団とは見え方が違うことがわかります。球状星団を楽しむには最低でも口径20cmの望遠鏡が必要と言われますが、M4は小口径でもじゅうぶんに楽しめます。ただ、口径10cmでは倍率を100倍以上にあげても、中心まで星に分解することは難しく、集中度が低いため淡くなってしまってかえって見にくくなってしまいます。

20cm

南中のころを狙って観察すると、中心まで完全に星に分解でき、立体感がある姿は実に見事な眺めです。100倍を超える倍率でもさほど淡くならず、その迫力に圧倒されます。ヘルクレス座のM13に比べると全体に形が乱れた感じが強く、個性的な姿をしていることがよくわかります。よく観察すると大きく2つの部分に割れたような感じに見えるのが不思議です。都会地でも周囲が乱れた大きな丸い星雲状の姿を観察できますが、空の条件が良いところで見る微光星が群がった姿には比べようもありません。