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2011年 ペルセウス座流星群

ペルセウス座流星群の夏がやってきました。最も多く見られそうなのは、8月12日の夜から13日の明け方ですが、13日の夜も要注意です。今年は満月近くの明るい月が輝いていますが、明るい流星が多い三大流星群のひとつなので見逃せません。

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ペルセウス座流星群の見え方・見方

流星群のピークは8月13日

2011年8月13日 午前3時ごろ、北東の空のようす

2011年8月13日 午前3時ごろ、北東の空でペルセウス座流星群が流れるようす(流れる方向を示すため出現度を極度に高くして表示しています)。クリックで拡大(ステラナビゲータで作成)

流星群は、空のある1点(放射点)から放射状に流れるように見えます。ペルセウス座流星群の放射点は、夜の帳が下りる20時ごろには北北東の地平線から昇ってきますが、22時ごろから放射点も北東の空にそこそこ高くなり、以後十分な高度になっていきます。流星群は放射点の高度が高いほどたくさん見えるようになります。そして、空が明るくなりはじめる4時ごろまで観望することができます。

2011年のペルセウス座流星群が最も多く流れるとされる極大時刻は、日本時間8月13日15時ごろと予報されています。残念ながら昼間の時間帯なので、観望するなら12日の夜半から13日の明け方にかけて、あるいは13日の夜半から14日の明け方がチャンスです。

明るい月が条件的に不利

2011年8月13日 午前3時ごろ、全天のようす

2011年8月13日 午前3時ごろ、全天のようす。画像中央が頭の真上。クリックで拡大(ステラナビゲータで作成)

今年のこの時期は、満月に近い明るい月が一晩中夜空を照らしているので、流星観察の条件としてはあまりよくありません。暗い流星は、空の明るさに埋もれて見えなくなってしまうからです。いつものペルセウス座流星群のピーク時には1時間あたり50個くらいの流星が見られますが、今年はそれより少なくなるかもしれません。満月近くの月はたいへん明るいので、町明かりを避けて山間地へ行くメリットはあまりないでしょう。ただし、山間地では空気が澄んで空の透明度が高いという点では期待できるかもしれません。ペルセウス座流星群は明るい流星が多いので月明かりも吹き飛ばすような流星に期待しましょう。

空のどの方向を見ればいいの?

星空ナビで2011年8月13日の星空を再現

ペルセウス座流星群の場合、放射点のあるペルセウス座は北東方向に現れます。といっても、放射点を中心にあらゆる方向に向かって飛んでいるので、北東ばかりを見つめていなくても、実際には全天に流れます。南の空に飛んだ後には北の空に現れるといった具合です。

空が広く見渡せる見晴らしのいい場所で観察するのがベストです。月のある方向はまぶしく流星が見づらくなりますから、月を視界に入れないようにしたり、月に背を向けて見るようにするとよいでしょう。

ペルセウス座がある方向を知るには、ニンテンドーDSで星空を再現できる「星空ナビ」が便利です。「ペルセウス座流星群」を検索すると、実際の星空のどの方向に放射点があるかを矢印で表示し、流星の流れる様子もアニメ表示されます。周りの星座や星の名前もわかります。

流星観察スタイル

流星を観察するために長時間夜空を見上げ続けていると、首が痛くなります。アウトドアチェアやサマーベッドを用意できればベストですが、グラウンドシートに寝転がって見るのも快適です。ただし、車の往来がある駐車場ではたいへん危険ですので寝転がるのはやめましょう。

夏の流星群観察は夜風の心地よさを楽しめますが、観察場所によっては蚊の襲来に悩まされることがあるので、虫よけの用意をお忘れなく。

星空観察では、夜の暗闇に目を慣らすこともポイントです。せっかく暗さに慣れたころにところで、明るいライトを照らしてしまうとたちまち星は見えなくなってしまいます。どうしても光が必要なときには、ライトに赤いセロファンをかぶせるか、市販の赤色LEDライトが便利です。

流星はいつどこに流れるかわからないので、のんびりと気長に待ちます。立て続けに飛んで、その後しばらく出ないということの繰り返しです。時間に余裕があれば放射点がより高くなる明け方までねばりましょう。

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流星群ってなに?

流星のもとは彗星のチリ

夜空に鮮やかな光跡を残す流星

夜空に鮮やかな光跡を残す流星(© Tanikawa Plan-net)

流星は宇宙空間に散らばっている小さな塵が地球の大気圏に飛び込んで大気中の原子や分子と衝突し、プラズマ発光する現象です。塵(流星物質)の大きさはわずか数mmで砂粒ほどといわれています。秒速数十kmから100kmの猛スピードで地球大気へ突入し、地上高度80〜120kmあたりで流星として光って見えます。

流星のもととなる塵(流星物質)は、彗星から放出されます。流星群の原因となる彗星を母彗星といいますが、ペルセウス座流星群の母彗星はスイフト・タットル彗星(109P)です。

流星群は毎年やってくる

流星群と彗星の関係

流星群と彗星の関係(© Tanikawa Plan-net)

毎年決まった時期に星空の同じ位置を中心にしてたくさんの流星が見られます。これを流星群といいます。

流星群は彗星が放出していった塵の流れの中に地球が進入することによって生じます。塵(流星物質)の軌道と地球の軌道が交差していると、毎年決まった時期に地球がそこを通るので、同じ方向から飛んでくるたくさんの流星が見られるのです。

平行に降る流星

平行に降る流星

平行に降る流星(© Tanikawa Plan-net)

地球が塵の中に突入すると雨が降るように平行に大気に衝突して流星となります。地球軌道と塵の軌道の交差角度が小さいと、ほぼ正面衝突になるため、速くて明るい流星となります。角度が大きいと遅い流星になります。

平行に飛び込んでくる流星が放射状に流れるように見えるのは、一直線の線路が遠方の1点から伸びてきているように見えるのと同じ理由です。

放射状に流れて見える流星群

放射点

放射点(© Tanikawa Plan-net)

流星群の流星は平行に飛び込んできますが、地上からは天球に投影された見かけの動きを見ることになり、ある1点から四方八方に放射状に流れるように見えます。この1点を放射点と呼びます。

放射点では流星は観察者に向かってくるように見えます。放射点付近では流星経路は短く、放射点から離れるほど流星経路が長く見えます。

流星群の名前は放射点の(近くに)ある星座名で呼ばれます。ペルセウス座流星群は、ペルセウス座に放射点があるのでそう呼ばれています。

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