インドの火星探査機「マンガルヤーン」が軌道投入成功 アジア初

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【2014年9月24日 インド宇宙研究機関

インドの探査機「マンガルヤーン」が日本時間24日11時ごろ、火星を周回する軌道に予定どおり投入された。地球以外の惑星を周回する探査機の軌道投入成功は、アメリカ、旧ソ連、ヨーロッパについで4か国目、アジアでは初となる。


マンガルヤーンの想像図

地球から飛行を開始し、火星周回軌道に投入されるマンガルヤーンの想像図(提供:ISRO、以下同)

フェアリングに格納されるマンガルヤーン

打ち上げ前、ロケットのフェアリングに格納されるマンガルヤーン

インド初の火星探査機「マンガルヤーン」()は、2013年11月5日14時38分(インド時間、以下同。日本時間同日18時8分)に、インドのアンドラ・プラデシュ州スリハリコタにあるサティシュ・ダワン射場から打ち上げられ、これまで6回の軌道修正を行いながら順調に飛行してきた。

そして本日9月24日7時30分過ぎ(日本時間11時)、火星周回軌道への投入が実行された。8時0分、アンテナが地球の方向を向いていることが確認され、地上との交信が可能となり周回軌道投入の成功が明らかとなった。

マンガルヤーンは最終的には、火星上空の高度423kmから8万kmの長楕円軌道上を3.2日間で1周しながら探査を行う予定だ。

これまで火星探査は、アメリカ、旧ソ連、ヨーロッパが軌道投入や着陸に成功しているが、日本の「のぞみ」や中国の「蛍火1号」といった計画は失敗に終わっており、今回のマンガルヤーンがアジア初の成功となった(なお、ロシアも成功したことがない)。さらに、地球以外の惑星を周回するという点においても、マンガルヤーンがアジア初の軌道投入成功となった。

火星には、ほんの2日前にもNASAの探査機「メイブン」が到着したばかりだ(参照:探査機「メイブン」が火星到着 上層大気を調査)。探査車「キュリオシティ」などと連携して、火星の探査が大いに進展すると期待される。

注:「マンガルヤーン」 火星周回衛星計画(MOM))と呼ばれることもあるが、アストロアーツニュースでは、愛称とされている「マンガルヤーン」と表記する。