TMT建設に向け一歩前進:各国が正式に参加する協定書に署名

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【2013年7月31日 国立天文台

超大型望遠鏡TMT(30m望遠鏡)の建設にむけ、TMTプロジェクトを推進する各国の科学研究機関長による主協定書への署名が行われた。


主協定書に署名する各国の科学研究機関長の画像

主協定書に署名する各国の科学研究機関長。中央が国立天文台長の林正彦氏。クリックで拡大(提供:TMT Observatory Cooperation)

米国・ハワイ島で、現地時間7月25日(日本時間7月26日)、TMTプロジェクトを推進する各国の科学研究機関長による主協定書への署名が行われ、超大型望遠鏡TMT(30m望遠鏡)が一つの大きな節目を迎えた。

この主協定書は、プロジェクトの目的と、意思決定のしくみや参加国・機関の権利と義務などの原則を定めるもので、署名は米国・ハワイ島で開催されたTMT評議員会の場において行われた。

日本からは林正彦 国立天文台長が署名。そのほか米国カリフォルニア工科大学長、カリフォルニア大学機構長、カナダ天文学大学連合議長、中国科学院国家天文台長、インド科学技術庁長官が署名した。

TMT評議員会のヘンリー・ヤン議長は「主協定書への署名はこの国際協力へ各パートナーの正式の参加を示す重要な一歩で、TMT計画は予定どおり進んでいると言えます。この合意に向けて長く取り組んできましたが、TMT計画にとって今日は記念すべき日となりました」と語っている。

今回の合意を踏まえて今後、詳細な契約書が準備され、参加機関の財務責任機関長による署名が行われる。これを経て、TMTは2014年に正式に建設を開始する予定だ。

林正彦 国立天文台長は「この科学事業の実現にむけた貢献を開始できることをたいへん喜んでおります。TMTとすばる望遠鏡が連携することにより、宇宙の謎の解明が大いに進められることでしょう」と話している。