超小型衛星「FITSAT-1」の発光実験の観測にご協力ください

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【2012年12月7日 倉敷科学センター】

国際宇宙ステーションから放出された小型衛星「FITSAT-1」が、12月11日から14日まで発光実験を行う。地上から見た明るさは7〜8等級と予想されており、観測協力が呼びかけられている。


文:倉敷科学センター 三島和久さん

FITSAT-1

小型衛星「FITSAT-1」(提供:福岡工業大学)

FITSAT-1は福岡工業大学の田中卓史教授が立ち上げたプロジェクトチームにより開発された超小型衛星です。愛称として「にわか衛星」という名前でも呼ばれています。

約10cm四方の立方体の形状をしていて、重さはわずか1.3kg。子どもが手で抱えて持てるぐらいコンパクトな人工衛星です。 10月5日に、ISS(国際宇宙ステーション)から放出され、今も地上400kmの地球周回軌道を回っています。

この衛星は搭載している約50個のLEDを地上からの指令で発光させ、その点滅パターン(モールス符号)によってメッセージを地上に伝える仕組みを持っています。

そして12月11日以降、衛星が日本上空を通過するタイミングを見計らって、発光実験が開始されます。今回の試みは、衛星が発した光のメッセージをいかにして地上で受け止めようかという壮大な実験です。興味をお持ちいただいた方は、ぜひ観測にご協力ください。

日付点灯開始時間信号の種類
(JST)(UTC)
12月11日(火) 02:1817:18 (12/10)モールス
18:5309:53 (12/11)点滅(10Hz)
12月12日(水) 01:2316:23 (12/11)点滅(10Hz)
12月13日(木) 02:0417:04 (12/12)点滅(10Hz)
12月14日(金) 01:0916:09 (12/13)点滅(10Hz)

各点灯開始時間から2分間にわたって衛星が発光する予定です。特に11日(火)早朝のモールス発信実験では、

・・・・(H) ・・(I) −・・(D) ・(E)
−・(N) ・・(I) ・−−(W) ・−(A) −・−(K) ・−(A)
・−−−(J) ・−(A) ・−−・(P) ・−(A) −・(N)

「HI DE NIWAKA JAPAN」という、モールス符号の発光パターンが繰り返される予定です。

衛星の明るさは7〜8等級と予想され肉眼観測ができないため、双眼鏡による眼視観測や、写真撮影などの手段で衛星をとらえる必要があります。詳細な観測方法については、以下のページをご覧ください。

FITSATグループにて観測データベース構築に利用しますので、観測結果についてお知らせいただけると幸いです。結果の連絡先・撮影された写真のご提供は福岡工業大学 広報課(kouhou@fit.ac.jp)までお願いいたします(送付いただく際はご氏名を記載ください)。


FITSATの見え方をステラナビゲータで確認

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、FITSATやISSなど多くの人工衛星を表示でき、星座の中での位置や移動の様子を確かめることができます。ご利用の方は「ツール」メニューの[データ更新]で人工衛星のデータを更新し、「天体」メニューの[人工衛星]から表示設定を行ってください。