NASA、地球外生命体探査に影響を及ぼす研究成果発表へ

【2010年12月1日 NASA

NASAは、米国東部時間(以下同様)12月2日午後2時(日本時間3日午前4時)に宇宙生物学上の発見に関する記者発表を行う。なお、当日はNASA TVを通じたライブ中継も予定されている。


NASAは、米・ワシントンD.C.にあるNASA本部において、米国東部時間(以下同様)の12月2日午後2時(日本時間3日午前4時)に宇宙生物学上の発見に関する記者会見を行うことを発表した。

その発見とは、地球外生命体の証拠探しに影響を及ぼすものということだ。宇宙生物学とは、宇宙における生物の起源や進化、将来などについて研究する分野である。

生命に関する論争を巻き起こした研究結果といえば、隕石「ALH84001」が有名だ。この隕石は1984年に南極で発見された火星起源のもので、その中に地球上のバクテリアがつくるような構造が見られた。

さらに2000年には、この隕石中に見られた磁鉄鉱の結晶が、地球に存在する「MV-1」と呼ばれる種のバクテリアが体内で生成するものと酷似していることが発見された。しかし、その後の実験で無生物的なプロセスによって磁鉄鉱結晶が生成されることが証明された。それでも、生物起源説を唱える研究者らは、その実験結果がALH84001のすべてを説明するものではないと主張しており、火星の生物の痕跡であるのかどうかの議論は続いている。

また、地球上の生命のもととなった有機物の起源の1つとして考えられているのは、彗星など地球外からやってきて地球に衝突した天体だ。探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルからも小惑星イトカワ由来の粒子が発見され、現在世界中の注目を浴びている。そのほか、生命誕生と聞くとまず水を連想をするが、近年では生命に欠かせない重要な物質である窒素こそが、生命の痕跡そのものであるとする研究成果も発表されており、窒素分子に着目した研究も行われている。

日本時間のあさって早朝に、一体どんな内容が発表されるのか、具体的な生命の痕跡の発見なのか、宇宙における生命誕生に欠かせない分子の生成プロセスなどに関するものなのか、興味と想像が尽きない。