ハッブルが数年かけて撮影した銀河NGC 4911

【2010年8月13日 HubbleSite

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が2006年、2007年、2009年と数年をかけて撮影した、かみのけ座銀河団に属する銀河NGC 4911の画像が公開された。


(HSTがとらえたNGC 4911の画像)

HSTがとらえたNGC 4911。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: K. Cook (Lawrence Livermore National Laboratory))

「NGC 4911」は、かみのけ座の方向約3億2000万光年の距離に位置する「かみのけ座銀河団(別名Abell 1656)」に属する銀河の1つである。

かみのけ座銀河団は、近傍宇宙では、もっとも密度の高い銀河集団の1つである。約1000個の銀河が詰め込まれたかのように存在していて、ひんぱんに衝突や接近を起こし変化し続けている。銀河同士の衝突では、活発な星形成が引き起こされる。

NGC 4911の場合、うっすらと見えている腕は、伴銀河NGC 4911A(画像中、右上方)によって引き伸ばされ歪んでいる。このようにして銀河から引きはがされた物質は、銀河間空間に広がって次の世代の星をつくる材料となる。

HSTの画像には、生まれたばかりの星と水素の雲(ピンク色)を背景に、濃いちりとガスから成る筋状の構造や、外側の渦巻く腕も見えている。そのほか、さまざまな形をした数千個もの銀河もとらえられている。

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