合体が進む銀河に、初めてクエーサーのペアを発見

【2010年2月12日 Chandra Image GalleryCarnegie Institution for Science

合体しつつある銀河にクエーサーの連星が初めて発見された。衝突を起こした銀河は地球から約46億光年の距離にあり、クエーサーは互いにたった7万光年しか離れていない。


(可視光画像とX線画像を重ね合わせたSDSS J1254+0846の画像)

SDSS J1254+0846。マゼラン望遠鏡による可視光画像とチャンドラによるX線画像を重ね合わせたもの。クリックで拡大(提供:X-ray: NASA/CXC/SAO/P. Green et al. Optical: Carnegie Obs./Magellan/W. Baade Telescope/J.S. Mulchaey et al. )

NASAのX線天文衛星チャンドラが、衝突して合体が進む2つの銀河に、はっきりとクエーサーの連星をとらえた。クエーサーとはひじょうに明るく輝く銀河の中心核、連星とは互いに重力的に結びついた天体のペアである。

画像中、青で示されているのがクエーサーの連星「SDSS J1254+0846」である。ともに超巨大ブラックホールへ向かって落ち込む物質からエネルギーを得ていて、X線で明るく輝いている。一方、黄色っぽい尾は可視光画像にとらえられたもので、衝突で銀河から引き伸ばされたガスや星の流れである。

米・ハーバードスミソニアン天体物理学センター(CfA)のPaul Green氏は「クエーサーは、宇宙でもっとも明るくコンパクトな天体です。現在、約百万個ほど知られていますが、2つ並んだクエーサーを見つけるのは、途方もなく難しいことです」と話している。

今回の発見は、クエーサー連星の形成が、銀河同士の合体で引き起こされるという予測を強く支持する結果となった。

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