トランジット法で海王星サイズの惑星を発見

【2009年1月28日 CfA

惑星が恒星の前を通る「トランジット」の検出により、海王星に近いサイズの系外惑星が見つかった。トランジットを起こしている惑星の中ではもっとも直径が小さい。


(発見された惑星HAT-P-11bと恒星の想像図)

発見された惑星HAT-P-11bと恒星の想像図。クリックで拡大(提供:David A. Aguilar(CfA))

はくちょう座の方向120光年の距離にある恒星のまわりを回る系外惑星が発見され、「HAT-P-11b」と名付けられた。米国ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)が運用する、全天を自動で観測する小型望遠鏡群HATNetが、HAT-P-11bが通過するたびに恒星の明るさが0.4%暗くなるのを検出した。

HAT-P-11b は、地球の4.7倍の直径と25倍の質量を持つ。海王星(直径3.8倍、質量17倍)よりもひとまわり大きい。恒星にひじょうに近いところを4.88日の周期でまわっており、表面温度は600度に達する。

地球から見て、惑星が恒星の前を横切る現象を「トランジット」と呼び、恒星の光が暗くなることで検出される。トランジットを観測することで、惑星の質量だけでなく、大きさや成分などの貴重な情報が得られる。

これまでにトランジットが確認された惑星は50個以上あるが、そのほとんどが土星や木星のような巨大惑星だった。海王星サイズのトランジット惑星は、HAT-P-11b のほかには2004年に見つかった「GJ436b」しかない。HAT-P-11b は GJ436b と比べて質量は大きいものの、直径はわずかに小さい。

惑星を発見した研究チームを率いたCfAの天文学者Gaspar Bakos氏は、「(GJ436b のほかに HAT-P-11b が見つかったことで)2つの惑星を比べることができるようになったのは、惑星の構造や形成を研究する上で大きな助けになります」と話している。

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