MROがとらえた、ちりを巻き上げる火星の嵐

【2008年12月26日 JPL

NASAの火星探査機マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)が、嵐によって大量のちりが巻き上げられている瞬間や、火山の頂上で嵐が渦を巻くようすを上空からとらえた。


(猛烈な勢いで巻き上げられるちりの画像)

猛烈な勢いで巻き上げられるちり。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/MSSS、以下同様)

(火山の頂上で渦を巻くちりの画像)

火山の頂上で渦を巻くちり。クリックで拡大

NASAの火星探査機マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)は、2006年に火星に到着して以来、火星における水の歴史を明らかにするために探査を続けている。

上空を周回しながら気象データの収集や画像撮影を行っているMROは、地表に嵐を発見することがある。

1枚目は、多くの谷が網の目のように広がる領域で、ちりが猛烈な勢いで巻き上げられている瞬間をとらえた画像である。その姿は、1930年代に米国南部の大平原を何度も襲ったBlack Blizzard(ブラック・ブリザード)と呼ばれる巨大な砂嵐を思わせるという。後方で煙のように巻き上がっているちりのようすからも、そのすさまじさが伝わってくる。

2枚目の画像では、火山の頂上でちりが渦を巻いている。火星の嵐は、地球の台風と同様に、このように渦を巻いているものが多い。嵐によって高い高度にまで巻き上げられた粒子が核となって上空で雲が形成される。MROによる観測でも、このような小さな嵐が大規模な嵐へと成長することが明らかになっている。

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