インド初の月探査衛星、打ち上げ成功

【2008年10月22日 ISRO

インド初の無人月探査衛星「チャンドラヤーン1号(Chandrayaan-1)」がインド標準時の10月22日午前6時22分に打ち上げられた。同衛星は、月面の立体地図作りや、将来の月面探査で必要となる鉱物資源の分布や存在量を明らかにすることをおもな目的としている。


(月の観測を行うチャンドラヤーン1号の想像図)

月の観測を行うチャンドラヤーン1号の想像図(提供:ISRO)

10月22日午前6時22分(インド標準時、日本時間9時52分)、インド初の無人月探査衛星「チャンドラヤーン1号(Chandrayaan-1)」がインド南部のアンドラプラデシュ州スリハリコタ島にあるサテッシュダワン宇宙センターから、PSLVロケットによって打ち上げられた。

打ち上げから約20分後、チャンドラヤーン1号は地球を周回する軌道に無事投入された。今後約2週間以内に月のまわりを回る軌道に入り、その後除々に高度を落として、最終的な高度約100kmの月周回軌道に入る。探査の期間は、2年と予定されている。

同衛星の大きさは約1.5mの立方体で、重さは590kg(打ち上げ時は、1380kg)。コンパクトな機体には、高解像度の分光カメラやX線分光器、放射線モニターなどを含む、11もの観測機器が搭載されている。

なかでも、「TMC」と呼ばれるカメラは、インドが独自に開発したもので、最大解像度5mの高性能を誇っている。また、NASAのジェット推進研究所(JPL))と米・ブラウン大学との共同開発による月面鉱物マッピング装置「M3」による観測では、鉱物資源の分布地図が作成される予定で、将来の有人月面探査に活用されることになっている。