星空と深宇宙をつなぐマイクロソフトの「WorldWide Telescope」

【2008年3月4日 WorldWide Telescope】

パソコンで星空と深宇宙を自由に行き来できるマイクロソフトの「WorldWide Telescope」が2008年春に利用できるようになりそうだ。スローンデジタルスカイサーベイやハッブル宇宙望遠鏡の画像など、天文学資源を誰でも利用できるひとつの形として注目される。


(WorldWide Telescopeの画面)

WorldWide Telescopeの画面。クリックで拡大(提供:Microsoft Research)

マイクロソフトから、パソコンで楽しめるエキサイティングな宇宙体験が無償で提供されるようだ。「WorldWide Telescope」はバーチャルな望遠鏡体験を提供する一般向けのWindows用ソフトウェア。肉眼で見るイメージの星空の画面を縦横無尽に操作することができ、地上望遠鏡や宇宙望遠鏡で撮影された高精細な天体画像データベースとも結びついている。星空を拡大していくと、望遠鏡で宇宙をクローズアップするような感覚で、スローンデジタルスカイサーベイ(Sloan Digital Sky Survey、SDSS)やハッブル宇宙望遠鏡の画像など、深宇宙の高解像度画像へと継ぎ目なく切り替わっていく。

画面を拡大・縮小するズーム、視野を動かすパン、画面をつなげるシームレス表示には、マイクロソフトの描画エンジン「Visual Experience Engine」が使われている。高解像度の画像はインターネット上のサーバに置かれ、天体のズームアップなどに応じて呼び出されるしくみとなっている。

星空から天体画像へと、継ぎ目のないズームができるものとしては、すでに「Google Earth」のSky機能が2007年にリリースされているが、マイクロソフトの「WorldWide Telescope」ではユーザーがガイドツアーを設定し音声を組み合わせて番組を作成できるなど、発展的な機能で注目を集めることになりそうだ。異なる光の波長で撮影された画像へと横断することも可能で、画像だけでなく天体の関連情報なども表示することができるという。

マイクロソフトは最新プレビュー版をTEDカンファレンス(アメリカのカリフォルニア州モントレーで毎年開催されているテクノロジー、エンターテインメント、デザインなどの講演会)で披露した。現地時間2月27日にハーバード大学のRoy Gould氏によりモンストレーションが行われ、その様子は動画で公開されている。2月に公開された「WorldWide Telescope」のプロモーションサイトによると、公開は2008年春とアナウンスされている(3月4日現在、具体的な日付は示されていない)。

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