Google Moonがパワーアップ アポロ計画の詳細や地勢図も

【2007年9月19日 NASA News

NASAによるデータの提供で、グーグル(Google)社のオンライン月面地図サービス"Google Moon"が大幅にパワーアップした。本格的な探査計画や科学分析にも使用できるほどデータの精度が上がったほか、アポロ計画の着陸点付近では探査の足跡を貴重な映像とともにたどることができる。


(Google Moonの画面)

パワーアップしたGoogle Moonの初期画面

Google Moonは英語のみのサービスだが、日本語版もあるGoogle マップを使い慣れている方なら直感的に操作できるはずだ。初期画面ではアポロ計画の着陸地点がマークされていて、6回行われた着陸ミッションについて、詳細に調べられるようになっている。各ミッションに関する説明や画像・動画は、NASAの膨大なデータベースとリンクしていて、すべてを眺めるだけでも時間がかかるほどだ。

まずは試しに"Apollo 11"と書かれたポップアップの"Zoom in"をクリックして、アポロ11号の着陸点付近へズームアップしてみよう。ここでは探査中の代表的な出来事を、地図中のポイントや写真を選択して閲覧できる。1番をクリックしたときのポップアップから"Watch the landing..."を選べば、緊迫感ある交信を聞きながら着陸直前の映像を見られる。また、4番のポップアップから"Watch the video"を選べば、アームストロング船長が月に降り立つ有名な映像が再生される。

その他のアポロミッションについても、宇宙年鑑2007などの資料を片手に追ってみてはいかがだろう。

月面地図そのものも使い勝手がよくなった。右上のタブから"Visible"を選べば、1990年代に月を訪れたNASAの探査機クレメンタインによる可視光マップが表示され、"Elevation"を選べば、高度で色分けされた地図が表示される。ちなみに、以前は限界以上にズームアップすると「穴あきチーズ」の模様が現れたが、今回この「機能」は削られてしまったようだ。

もう1つ新しく実装されたのが、米国地質調査所が制作した月面地質図や月面地勢図を重ね合わせる機能だ(右上のタブから"Chart"を選択)。月面基地建設や月旅行を計画するときには役にたつかもしれない。

強いて難点をあげるとすれば、1990年代のクレメンタインによるマップを除けば、使われているデータはアポロ計画前後、つまり約40年前のものだということだ。日本の月周回機「かぐや」が情報を更新してくれることを期待しながら、バーチャル月旅行を楽しもう。

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