X線で明かすアンドロメダ座大銀河の中心核

【2007年5月30日 Chandra Photo Album

X線天文観測衛星チャンドラが観測したアンドロメダ座大銀河(M31)の画像が公開された。銀河の中心をとらえた画像には、多くの青い点が見られる。そのほとんどが普通の恒星と白色矮星(またはブラックホールか中性子星)から成る連星系だ。


アンドロメダ座大銀河(M31)の画像

アンドロメダ座大銀河(M31)。クリックで拡大(提供:X-ray: NASA/CXC/MPE/W.Pietsch et al; Optical: NOAO/AURA/NSF/T.Rector & B.A.Wolpa)

M31は銀河系からもっとも近いところにある銀河で、構造やその進化の歴史について詳しく研究されている。可視光とチャンドラによるX線の波長による観測は、アンドロメダ座大銀河の中心核内にX線源やX線を発する領域を発見する目的で行われた。公開された画像のうち、左側の大きい画像(左側)は可視光の波長でとらえたもの、右側の一部分が拡大された画像は、X線と可視光の波長でとらえた画像を合成したものだ。

拡大画像中、銀河の中心に見られる青く拡散した光は高温のガスである。明るい点はほとんどが2つの天体が互いの周りを回っている連星系だ。連星系では、太陽のような星の燃えかすである白色矮星に伴星からガスが降り積り、ガスが一定量に達すると、核爆発が起こり新星となる。その際には、突発的にX線が観測される。

過去の観測では、多くの新星が見過ごされていた可能性もあるが、長い間の新星に関する研究のおかげで、近年では短時間に数多くの新星が発見されるようになっている。