宇宙飛行士の土井隆雄さん、明るい超新星2007aaを発見

【2007年2月20日 VSOLJニュース(169)】

今年末にスペースシャトル「エンデバー号」に搭乗するJAXAの宇宙飛行士・土井隆雄さんが、超新星を発見しました。


(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士である土井隆雄(どいたかお)さんは、1997年にスペースシャトル・コロンビアに搭乗し、日本人初の宇宙遊泳を行った方です。今年末には、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の打ち上げ第1便となるスペースシャトルに搭乗することが決まっており、大活躍中の毎日です。

土井さんは、天体観測が趣味のひとつです。2002年には、超新星2002gwを発見され、話題になりました。その土井さんが再び、超新星を発見されました。今回の超新星は、超新星2007aaと命名されました。

超新星は、40センチメートル望遠鏡に冷却CCDカメラという機材で、2月18.308日(世界時、以下同様)に撮影した画像上で、15.7等の明るさで見つかりました。位置は以下のとおりです。渦巻を私たちに向けた銀河NGC 4030の中心から東に60秒角、北に68秒角にあり、明るい腕のやや外側にあたります。

  赤経  12時00分27.69秒
  赤緯 -01度04分51.6秒  (2000年分点)
  NGC 4030の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星

この超新星は、19.509日に山形県の板垣公一(いたがきこういち)さん、また19.643日に兵庫県の西はりま天文台の内藤博之(ないとうひろゆき)さん、飯塚亮(いいづかりょう)さんによって存在が確認されました。また、南米チリにあるラス・カンパナス天文台でのスペクトル観測(19.24日)により、超新星は水素の多いII型であり、爆発後20日ほどと推測されています。今後、しばらくは発見時の明るさを保つことと思われますので、小中口径の望遠鏡による撮影の好対象となるでしょう。


超新星2007aaの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.8」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

<参照>

<関連リンク>

<関連ニュース>